気まぐれな楽しい探検ごっこ
その日は、娘の気が向くままに歩く探検ごっこをしていました。自宅のまわりの住宅街を抜けて、畑が並ぶ川沿いの道へ。季節の花や畑の野菜、虫や鳥などが見られる、わが家の子どもたちのお気に入りの散歩ルートです。
いつもは目印にしている木で道を引き返して帰るのですが、その日は、さらに先まで歩きたがる娘。私も「この先はどうなっているのだろう?」と気になっていたので、進むことにしました。
「来るな!」いきなり怒鳴られて……
引き続き川と畑の風景は変わらず、そろそろ引き返そうと思い始めた私。少し先の畑で作業をしていたおじいさんが、顔を上げて私たちのほうを見ているのに気がついたので、会釈しました。すると、「こっちに来るな!」と怒鳴るおじいさん。いきなり知らない人に怒鳴られた娘は大号泣。
私もびっくりしましたが、「すみませんでした!」と逃げるように娘を抱きかかえて家に帰りました。「あのおじいさん、子どもが嫌いなのかな? 作業中に騒がしくて怒らせちゃったかな?」とモヤモヤする私。しかし、どこのお宅の人かわからないので、「今後はいつもの木で引き返すようにすればいいか」と割り切ることに。
そんな理由があったなんて!
その日の夕方、近所の顔見知りのおばあさんがわが家に来ました。「今朝はごめんね。びっくりしたでしょう」と言うので話を聞くと、おばあさんは怒鳴ってきたおじいさんの妻とのことでした。おばあさんの話では、おじいさんはあのとき畑に薬を散布していたので、万が一、子どもが吸い込んだら大変だと思って、つい大きな声がでてしまったそう。
最後におじいさんから娘に、とお菓子がたくさん入った袋をいただきました。「俺が行くと怖がらせるからって、しょんぼりしちゃって。また見かけたら声かけてあげてね」とほほ笑むおばあさん。私はしょんぼりしているおじいさんの姿を想像して、ほっこりしてしまいました。
おじいさんは子どもがきらいだから怒鳴ったのではなく、守ってくれたのだとわかりました。後日、お菓子のお礼も兼ねて、私と娘はおじいさんの畑まで歩くことに。私たちに気がついたおじいさんは、ニコニコと駆け寄ってきてくれました。第一印象は怖かったけれど、今では娘や上の子どもたちも大好きな、近所のやさしいおじいさんです。
先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。
著者:安藤 はるか
小3、年長の男の子と2歳の女の子のママ。カラーセラピストとしてお悩み相談のサービスを運用中。