娘の名前に対する夫婦の思い
日韓夫婦の間に生まれた娘は22歳になったときに国籍を選ばなければならず、その際、日韓どちらかの名前を捨てなければなりません。そのときに日本と韓国の家族のどちらかが悲しまなくていいように、娘の名前は両国どちらでも使える名前にしたいと考えていました。
義父母にとっては初孫となる娘。それでも名前は私たち夫婦が自由に決めていいだろうと思い、夫婦で日韓どちらでも通用する名前を考えることにしました。
私たち夫婦に内緒で姓名判断に行く義父母
どちらでも通用する名前で、私たち夫婦がこれだ! と思う名前が決まりました。義父母にその名前を電話で伝えると、「わかった」と言ってくれました。特に反論もなかったため、義父母も気に入ってくれたのだとひと安心。しかし、その数日後、義母から夫へ電話があり、私たちが決めた名前にしたくないというのです。
さらに、義父母が占い師の元へ行き字画のいい名前を聞いてきたので、そのなかから選ぶようにとのこと。名前のリストを見ると、すべて典型的な韓国の名前で私が発音するのも難しいものばかりでした。
夫婦の思いを理解してくれない義父母
なぜその名前にしたのか、日本と韓国で別々の名前をつけたくない理由を夫が義父母に説明してくれました。しかし「知ってる日韓夫婦の子どもはみんな、日本と韓国で別々の名前を持っている。子どもは別の名前を呼ばれても混乱しない」など、私たち夫婦の意見をなかなか理解してくれません。
ひと通りの名前で済むのに、わざわざ将来の揉め事に繋がるようなことはしなくてはいいのではないか? という思いが私たち夫婦にはあったため、改めて義父母に伝えました。最終的には「夫婦で決めたことだから、もう言わないでくれ」と夫が釘を刺してくれ、義父母もしぶしぶ了承してくれました。
夫婦が名前を決めたあとに、私たちに相談もなく義父母が姓名判断に行ったことや、義父母を説得する過程はとてもストレスでした。でも、夫がしっかりと間に立って話をしてくれたおかげで、無事に解決することができました。義父母の願いを聞いてあげられず申し訳なかったですが、今でも両家族にとって呼びやすく、夫婦が納得する名前にできてよかったと思っています。
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著者:山口まなみ
3歳の娘と双子の男の子の母。韓国人の夫と家族5人で韓国に在住。海外での子育てやバイリンガル教育に奮闘する自身の体験談を執筆中。