理解があり、尊敬していた義両親
夫の両親は、とても距離感を大切にしている人です。特に義母は、姑との関係に苦労したこともあり、とても私に気を遣ってくれました。私の妊娠中も義母は助けを求めたときだけ料理を作ってくれ、過度に世話を焼くこともありませんでした。
私の仕事や子育てについても基本的に口出しはせず、「今は昔と何もかも違うからね。私も勉強しなくちゃ」と言う義母に、私は感謝の気持ちでいっぱい。いつか自分が姑の立場になったら、義母のようになろうと決意していました。
行き先はわが家!? 断捨離を始めた義両親
そんな義両親が、最近断捨離を始めました。義祖母が義実家で生活するために、スペースを作るそうです。ものが多い義実家には、良い機会だと思っていたら……。義両親は、私たちが義実家に行くたび、開口一番「自分のものでいらないものがないか見て」と言うようになりました。たしかに夫のものは一部実家にありますが、夫以外のものも大量に夫の部屋に置かれていて、その仕分けがかなりの重労働。
新年のあいさつに行ったときも、夫は不用品の確認作業に追われました。先日渡された分厚いファイルには、夫の賞状が1枚だけあるものの、それ以外は両親の集めたテレホンカードがズラリ。家が片づかないすべての責任を夫に押し付けられているようでした。
未来の孫にあげるものシリーズ
夫はもう義実家に住んでいないのだから、早く自分のものを処分すれば解決すると思っていたところ、新たな問題が浮上しました。突然義父に「もらってほしい」と言われたのは、30年以上前に夫が読んだ大型の絵本シリーズ。カラーボックス3段を占める量で、置く場所がないとお断りしたところ、「いつかできる孫のためにとっておいたのに」とのことでした。節句で飾る夫の兜も、孫にどうかとすすめられました。兜の本来の目的と、スペースの問題を考え、こちらもお断り。
また先日、義両親が30年以上前の鉛筆を持ち帰らせようとして夫が「いらない」と答えると、今度は小さな孫に「これいる? 」と確認し、無理やり渡してくる始末。きちんと断っても、懲りずにものを渡そうとする姿にさすがの夫も呆れ、その後、私たちが義実家に行く回数はどんどん減っていきました。
私がものを断る理由
ものを断るよりも貰うほうが簡単だとは思います。義両親の気持ちも考慮し、一度は受け取ろうかと考えたこともありました。しかし、そうすると今後義両親が捨てられないものは、私たちに渡す流れが定着する可能性も……。
そして何より、義両親は「息子夫婦に良いものをあげた」という気持ちなのに対し、私たち夫婦は「いらないおさがりをもらってあげた」と、お互い「してあげた感」を持って接してしまい、ちぐはぐな関係になってしまう心配があります。さらに、本当はうれしくないのにうれしいフリをして受け取り、結局陰口を言うのはフェアではないと思い、今でもものを譲ると言われるたびに、丁重にお断りし続けています。
義両親とは、これからも仲良く平和に過ごせると思っていたのに、まさかものが原因でモヤモヤすることになり、会う頻度が減ってしまったのはとても残念でした。良かれと思って渡すのは、ときに相手を困らせてしまうこともあるということが、この経験から理解できたので、私も孫ができたら気をつけたいと思います。
著者:今野彩花/女性・主婦。自身の体験をもとに、妊娠や出産、子育てに関する体験談を中心に執筆している。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています