登山中に突然…あの感触
大学生のころ、彼氏と登山に行ったときのことです。もう少しで頂上というところで、私は下腹部に違和感を覚えました。そして、トイレに駆け込むとなんと生理が……! 生理予定日はまだ先。規則正しく生理がきていた私は、生理日以外にナプキンを持ち歩く習慣がありませんでした。
トイレの中で焦ってしまった私は、とりあえず身の回りの物でナプキンの代用になりそうな物を探し……リュックの中にあったポケットティッシュを発見。「これでなんとかなる!」と、急いでティッシュを重ねてパンツにあてがい、待っていた彼氏の元へ。
彼氏には言えず、ひとりでヒヤヒヤ…
私は何事もなかったかのように平然を装って彼氏の元へ戻りました。登山を企画してくれて、頂上から見える景色を楽しみにしていた彼氏に、私は「生理がきたから下山したい」とは言えず、そのまま山頂を目指すことに。足場の悪い道をひたすら登りました。
そして途中でトイレを見つけた際に再びトイレに寄ると……生理初日ということもあり、大量の経血はなかったものの、ティッシュには経血がしっかりとついていました。汗でティッシュが濡れて心もとなく、いつ経血モレをしてしまうかわからない状態。加えて、だんだんとおなかの痛みも出てきたのです。
救世主、現る!
トイレの中でどうしようかと焦っていると、トイレの外に人の気配が。私がトイレから出るのを待っているのだと感じたため、急いでトイレから出た私。ドアの前に立っていた女性に「お待たせしました」と言うと、その女性は私の顔を見るなり「どうしたの? 具合悪いの?」と声をかけてくれたのです。
彼女の声かけに、思わず泣きそうになりながら、生理になってしまったけどナプキンをもっていないこと、おなかが痛くなってしまったことを伝えました。するとその女性はリュックから生理用ナプキンと市販の鎮痛薬を差し出して「これを使って」と言ってくれたのです。そして「普段から持ち歩かないとだめよ! 何があるかわからないんだから」とやさしく諭してくれました。
女性に下山をすすめられ、そのやりとりを聞いていた彼氏も何事かと心配して駆け寄ってきてくれました。仕方なく彼氏に事情を話すと「なんで遠慮するの! 体調が第一だよ。またくればいいんだから」と怒られてしまいました。
この日から私はいつでもナプキンを持ち歩くように。ナプキンを見ると、ふとあのとき助けてくれた女性を思い出します。いつかあの女性のように困っている人を助けてあげられたらいいなと、思わせてくれた出来事です。
著者/高埜 紫
イラスト/かたくりこ
監修/助産師 松田玲子
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