次男への嫉妬と赤ちゃん返り
6歳差の次男が生まれた直後、「かわいい!」と大喜びしていた長男。しかし、私が次男にかかりきりになるにつれ、「いいなー、○○くんばっかり」と言ったり、「オレも抱っこしてよー」と抱きついてきておっぱいを触ろうとしたりなど、“赤ちゃん返り”の言動が出てきました。
産後のドタバタでイライラしがちだった私は、そんな長男の寂しさを考える心の余裕がなく、「今忙しいから!」と、じょうずに構ってあげられませんでした。加えて、小さな次男と比べて大きな体でじゃれついてくる長男をかわいいと思えなくなり、つい怒ってしまうこともしばしば……。ただただ自己嫌悪でいっぱいの毎日でした。
寂しさのあまり、小学校で問題行動!?
そうこうしているうちに、長男は小学校でいろいろな問題を起こすようになりました。担任の先生によると、「授業中なのにお道具箱の中を触っている」「休み時間が終わってもなかなか席に着かない」「机の整理ができず、必要な物を出すまでに時間がかかる」など、集中力が続かない状態が増えてきたそうです。
帰ってきた長男に「なんでそんなことをしたの?」「授業中は座っていないとだめでしょ」と、なるべく冷静に言ってはみたものの、本人は「そんなのわからない!」「ちゃんとしてるもん!」と反発。それに対して思わず怒ってしまい、さらに自己嫌悪に……。
直接の原因が何だったのかはっきりとはわかりませんが、私がちゃんと構ってあげていないからだと、長男に対する申し訳なさでいっぱいになりました。
話を聞く時間をつくるところからスタート
その後、夫とも話し合い、長男への接し方を考え直すことにしました。
まず、自宅での1日を振り返ってみると、私は次男のお世話と家事に大きく時間をとられ、長男と1対1で過ごす時間がほぼなかったことに改めて気づきました。そこで、こま切れでもいいから、長男の話を聞く時間をつくろうと決心。宿題や夕飯の時間、お風呂、寝る前など、短時間であっても積極的に長男と話をするようにしました。
また、夫が「学校では先生の話を聞く」「授業中に手遊びをしない」などやさしい言葉で説明し、「お父さんと約束してね」と念押ししました。その後、担任の先生から電話があり、「学校での長男の態度が目に見えて変わり、問題行動がなくなってきた」と報告してくれました。
最近は休みの日に次男を夫に預け、長男と2人だけで外出する機会をつくるようにしています。長男はこれを“デート”と呼んでいて、「今度、自転車で○○へデートに行こうよ」と、楽しみにするようになりました。“デート”のときの他愛のない会話の中で、「こんなことを考えているんだな~」など意外な発見があります。長男の成長を実感することも多く、たまにはこういう機会も必要だなと思っています。
今でも長男をかわいく思えないことは多々あります。しかし、最近は次男の赤ちゃんらしいかわいらしさと、長男のかわいらしさは別物で、成長の時期が違えば接し方も違って当然なのだと思えるようになり、少し気がラクになりました。
共働きの限られた時間内で、家事・育児・仕事を回していると、上の子への対応はつい後回しになりがちでした……。これからもなるべく長男と一緒に過ごす時間を大切にし、長男の甘えたい気持ちをしっかり受け止めようと思います。
著者:大川香織/小学2年生と1歳、2男の母。共働き。編集プロダクションや出版社で、子育て情報誌などの制作に携わった経験をもとに、さまざまなテーマで執筆。
イラスト:(c)chicchimama
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています