お父さん、お母さんと呼ばれたい私たち
私たち夫婦は娘が生まれる前から、「お父さん、お母さんって呼ばせよう」と言っていました。そして娘が1歳前になったとき、義実家へみんなで訪問。そこで何気なく義母が「ママのところにハイハイしてごらん!」と言うので、「あ、うちはパパ、ママじゃなくてお父さん、お母さんって呼ばせようと思っているんです」と伝えました。
実はこれまでも義実家で私たち自身は「お父さんだよ~」などと自分たちのことを言っていたのですが、義母はそれを聞いているはずなのに「パパ、ママ」と呼んでいました。そのため、「しっかり伝えておいたほうが良いのかな?」と思い、きちんと言葉にして義母に伝えたのですが……。
「お母さんって呼ばせないで」と言う義母
義母はそれを聞いて「お母さんって呼ばせるのはやめて。パパ、ママって呼んでる子が多いんだからそれでいいじゃない」と言うのです。まさか呼ばせ方を否定されるとは思っていなかった私たち。
「いや、みんながどうかわからないですが、うちはお父さん、お母さんと呼ばせたいなと思っているんです」と言いましたが、義母は納得しません。何を言っても「ダメ」しか言わないので「どうしてですか?」と聞くと、意外な理由が返ってきました。
義母のお母さんは1人だけ
「お母さんって呼ぶのは私のお母さん(義母の母)だけがいいの」と言う義母。義母の家族は非常に仲良しで、とにかく絆が強かったのだそう。そのせいなのか、義母のなかでは「お母さん=義母の母」で、「お母さん」という呼び方は自分の母親だけであってほしいようでした。
すでに亡くなっている義母の母。義母の言い分はわがままなようにも見えましたが、私にはわからない家族の絆を理由にされてしまうと何とも言い難く、「私たちが折れるしかないのかな……」と思い、その日は保留にして帰宅しました。
翌日、義母からびっくりの電話
次の日、義母から電話が来て「やっぱりお父さん、お母さんって呼ばせていいわ!」と開口一番に言われました。
「昨日の今日で何事だ!?」と思いながら、「どうしたんですか?」と聞くと、どうやら友人のお孫さんが「おとしゃん、おかしゃん」と呼んでいるのを聞いたら、それがかわいくて仕方なかったのだそう。それを聞いて「昨日のは何だったんだ……」と思わずうなだれてしまいました。
結局わが家の親の呼ばせ方は「お父さん、お母さん」で落ち着きました。義母のリクエストには振り回されましたが、最終的に自分たちの希望通りになって満足しています。言葉の発達の途中で、念願の「おとしゃん、おかしゃん」も聞けて、義母はメロメロになっていました。
著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。