アニメに出てくる「炎太郎」に憧れるゆうちゃんのために、ゆうちゃんの髪を金髪に染めた母えみこ。園からは何も言われなかったのですが、保護者の間では、ゆうちゃんの金髪は話題になっていました。
保護者ママの一部からの要望で、保育園の掲示スペースに服装に関する意見書が貼られた翌日、貼り紙を見つけた母えみこ。遠回しな言い方ではあるものの、自分のことを指していると気づいた母えみこは「たかが髪を染めたくらいのことがそんなに嫌?」「こんな貼り紙を許可する園長も園長だ」「私もゆうちゃんも何も悪いことはしていないのに!」とモヤモヤ。
しかし、ゆうちゃんのためにしたことで、ゆうちゃんに敵ができたり、立場が悪くなってしまったりということは避けたい…と考えた母えみこは、現在、仕事でドイツに赴任中の夫に相談してみることにしたのです。
ゆうちゃんの金髪トラブルに、夫は…


















母えみこは、ドイツにいる夫に電話をし、一部の保護者ともめていることも含めて、事の顛末を話しました。えみこの話を静かに聞いていた夫に、えみこは「パパはどう思う?金髪って悪いことじゃないよね?」と問いかけました。
夫は「ゆうちゃんのために髪を染めてあげて、実際にゆうちゃんが喜んでいる。それはメリットだ」と言いますが、「一方で、正直デメリットもあると思う」と続けます。
ゆうちゃんが喜んでいるのだからデメリットなんて――。そう思う母えみこでしたが、夫はゆうちゃんの体への影響を心配します。大人でも髪の毛を染めると痛むのに、小さい子はなおさらだし、繰り返し染め直すとしたら影響があるだろうという夫に、その点については気を付けていることを伝えるえみこでしたが、「プロの意見を聞いてみたいね」という夫。
えみこが、「実は、ほとんどの美容院にゆうちゃんの髪の毛を染めるのを断られた」と伝えると、夫は「プロとして、何らかのリスクがあると判断したのかもしれないね」と答えたのでした。
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えみこの話すことを冷静に聞き、えみこの意見も受け入れつつ、第三者が感じるであろう「デメリット」についても話してくれる夫。信頼する夫の言うことだからか、えみこも感情的にならず、夫の言葉をちゃんと受け入れられているようです。
「売り言葉に買い言葉」とはよく言ったもので、感情的だったり攻撃的だったりする言葉に対しては、強い言葉で返したくなってしまい、どうしてもヒートアップしてしまいがちです。
そんななか、メリットをあげて、えみこの気持ちにも共感しながらも、デメリットについても落ち着いて伝える夫。建設的な話の進め方に、大人の対応ができる人なのだなと感じます。
子どもに関することは感情的になってしまいがちですが、えみこの夫のような話し合いができると、解決に向けた話をしやすくなるように思いますね。
山野しらす