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同窓会で「子連れって…邪魔じゃない?」亡き姉の子を育てる私の前に現れた救世主の正体は

私は30代の会社員です。その日はたまの休日に、地元で開かれた高校の同窓会に参加しました。亡くなった姉の子を引き取って育てているため、どうしても子どもを置いて出かけることができず、一緒に会場へ向かいました。

 

久しぶりの再会で…

同窓会の会場で、同期でもあり会社の同僚でもあるA男と顔を合わせました。「おいおい、子ども連れで来たのか?」と、からかうように笑うA男。

 

「家にひとりで留守番させるのは心配だからね」と答えると、彼は「同窓会に子連れってどうなの?」「邪魔じゃない?」と冗談めかして言いました。悪気はないのかもしれませんが、少しカチンときたのを覚えています。

 

そんなとき、懐かしい声が聞こえました。

 

「あ? 子ども?」

 

振り向くと、学生時代にヤンチャで有名だったB子が立っていました。強気な言動で一目置かれる存在でしたが、今は穏やかな笑顔を浮かべています。「久しぶり。元気だった?」と声をかけると、B子も「うん、変わってないね」と笑いました。

 

「でも、子どもが一緒ってことは結婚したの?」と首をかしげるので、「いや、姉夫婦が事故で亡くなって……。この子はそのめいなんだ。今は俺が育てているんだ」と伝えると、「そうか……立派だね」と、真剣な表情でうなずいてくれました。

 

子ども好きなB子

B子はめいにもすぐに話しかけてくれました。「こんにちは、B子です。名前は?」と声をかけると、めいは少し照れながらも元気に自己紹介。

 

B子は「かわいいな」と思わず笑って「膝に来い」と言い、膝の上にちょこんと座らせました。2人が笑い合う様子を見ながら、私はB子の穏やかさに、昔と同じやさしさを感じました。

 

 

突然の誘い

しばらく談笑していると、会話の流れで仕事の話になりました。するとA男が横から口を挟んできて、「こいつはうちの会社でも効率が悪いって有名でさ、無駄なことばっかりやるんだよ」と、冗談半分に茶化します。

 

私は苦笑しながら、「効率も大事だけど、リスクを考えて動くのも仕事のうちだよ」と答えると、B子が「リスク管理か……良い考え方だね」と興味を示しました。

 

聞けば、B子は服飾の専門学校を卒業後、独立して自分のブランドを立ち上げたとのこと。今はネット通販で子ども服を展開しており、新しい事業を進めているところだと言います。

 

「実は、うちで新しいチームを立ち上げようとしてるの。リスク管理や顧客対応に強い人を探してるんだ」と話し、「よかったら力を貸してくれない? 子どもを連れての勤務も柔軟にできるようにしてるし」と、思いがけない提案をしてくれました。

 

私は驚きつつも、心の中で何かが動いたのを感じました。「もし必要としてもらえるなら、やってみたい」と答えると、B子はにっこりと笑いました。

 

それから数カ月後、私はB子の会社で働くことになりました。彼女が手掛けた子ども服ブランドは口コミで人気を集め、業績も順調に伸びています。

 

まとめ

姉の子を育てる中で、私自身も人とのつながりや仕事の意味を見つめ直すようになりました。人生の転機は、思いがけない再会から訪れるものなのかもしれません。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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