元親友から突然「今、お前の店に来てるぞ!」
離婚成立後、私は心機一転するために長年勤めた店を辞め、別の寿司店へ転職することにしました。裏切り者たちとは縁を切ったつもりでいたのですが……ある日、とんでもない電話がかかってきたのです。
電話の主は、私の元妻を奪った元親友でした。どうやら彼らは、私の転職を知らず、私が以前勤めていた高級店へ“冷やかし”に行ったようなのです。
「家族総出で来てやってるんだ! 感謝しろよ?」「うわ〜、この大トロ最高! どんどん頼んじゃお!」
電話の向こうからは、元親友だけでなく、元妻、元親友との間に生まれた子ども、そして元妻の両親の楽しそうな声が聞こえてきました。元妻の家族は、昔から私を“金づる”としか見ていないような人たちでした。
「いやあ、食った食った。……今日、けっこう頼んだな。会計、30万だってさ」と言ったあと、「ま、でもさ。前に俺が1人で来たとき、何回か“いいよ”って奢ってくれたじゃん?」
そして、軽い口調のまま続けます。「今回もいいだろ? 俺たち親友だし、家族みたいなもんじゃん。……当然タダだよな?」
「30万をタダに」まさかの要求…しかし実は
30万……。きっと寿司だけでなく、一品料理や酒も相当頼んだのでしょう。私は呆れを通り越し、冷静に聞き返しました。「え? 俺の店だと思って食べたの?」
「は? 何言ってんだよ。お前が店長やってる店だろ?」
「俺、その店もう辞めたんだよ」
「……は?」
私は続けました。「今は別の店で雇われ職人をしているから、その店とはもう何の関係もないよ」
真実を告げた瞬間、相手は動揺…支払いは!?
電話の向こうで、元親友が息をのむ気配が伝わってきました。
「嘘だろ……? じゃあ、この30万は……」
「当然、食べた人が払う義務があるよな。無銭飲食なんて許されないよ」
「ちょ、ちょっと待てよ! お前から頼んでくれよ! 俺たち今、そんな持ち合わせ……」
「知るかよ。二度とかけてくるな」私は一方的に電話を切りました。
「どうするんだ!」会計の場は地獄絵図に…
その後、知り合いから聞いた話によると、現場はまさに地獄絵図だったそうです。タダ飯ではないことを知って焦ったのは元妻の両親。義父が泣く泣くクレジットカードで支払ったそうですが、「お前が『タダだ』なんて言うからだろ!」とレジ前で大喧嘩が勃発。
「お義父さんだって高い酒をがぶがぶ飲んでたじゃないですか!」と元親友が応戦し、「あんたの稼ぎが悪いのよ!」と元妻も叫び出し、酒の勢いもあって大騒ぎになったとか……。支払い後、すぐに店から出されたそうです。
自業自得な彼らの末路を聞き、私は新しい職場で、清々しい気持ちで今日も寿司を握っています。
◇ ◇ ◇
家族や元友人という関係を盾にしても、ルールや常識が消えるわけではありません。食べたものの代金を支払うのは、当然の責任です。理不尽な出来事に直面したときこそ、感情に流されるのではなく、冷静に対応することが、自分自身を守るいちばんの方法なのかもしれません。
【取材時期:2026年2月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。