記事サムネイル画像

夫「家の中で偉いのは俺だ!」家庭内マウント全開の夫→数年後に晒した惨めな姿がすべてを物語る…

結婚して専業主婦になってから数年、「私の役割は家を守ること」だと思っていました。夫は大手企業に勤める会社員です。私は家事の一切を引き受け、彼が仕事に集中できるようにと、できる限りのことをしてきたつもりでした。

しかしある日の晩ごはんをきっかけに、私たちの関係性は大きく変わりました。

その日、スーパーで少し良いお肉が安くなっているのを見つけました。ちょうど夫の昇進が決まったタイミングだったので、ささやかなお祝いのつもりで奮発して購入し、晩ごはんにステーキを焼いたのです。

 

夫の昇進祝いのはずが……

「今日はちょっと奮発してステーキにしたよ。昇進のお祝いも兼ねてね」と伝えると、夫は一瞥してこう言いました。「ん? 2枚? 俺のお祝いなのにお前も食べるの?」冗談かと思って笑おうとした瞬間、続く言葉に固まりました。


「むしろ祝う前にさ、『働いてくれてありがとう』っていう感謝が先じゃない? 俺が毎日働いてるから、お前は買い物行ったりランチできたりしてるわけでしょ。俺の収入で暮らしてるって自覚、ちゃんとある?」

 

胸のあたりが、ぎゅっと締め付けられるような感覚になりました。私は純粋に夫の昇進を祝い、努力を労いたかったのです。


そう伝えると、夫は鼻で笑いました。「そういう『いい妻アピール』は別にいらないよ。家事なんてさ、極端な話、誰でもやろうと思えばできるでしょ。ごはん作って洗濯して掃除して……毎日のルーティン回してるだけで、俺の仕事とは責任の重さが違うんだよ」

 

さすがにムッとした私。思わず言い返してしまいました。「毎日休みなく家事をするってそれなりに大変なんだよ。私が家の中のこと全部引き受けてるから、あなたは仕事に集中できるんじゃないの?」


そう言う私に、夫は少しいらだったように声を荒らげました。


「は? 家のことやってるだけで感謝しろって? 現実見ろよ。今のお前は社会的な肩書きもない“ただの主婦”なんだよ。俺の給料がなかったら生活できないくせに、なんで対等みたいな顔してんの?」その瞬間、何かがぷつんと切れたような気がしました。

 

 

社会復帰を決意

結婚前、私はフルタイムで働いていました。結婚後、夫から「家のことを優先してほしい」と言われ、話し合って退職したのは、お互いに納得したうえでの決断だったはずなのに――。


「……そこまで言うなら、私も働こうかな」気付けば、口からそんな言葉が出ていました。

 

「は? 今さら仕事? いやいや、冗談だろ。ブランク何年だよ。お前を採用してくれる会社なんてあるわけないじゃん。せいぜい誰でもできるような雑用とかだろ」と、夫はステーキをおいしくなさそうに口に運びながら言いました。

 

そんな夫の態度に気持ちが固まりました。どんな仕事でも構いません。夫の稼ぎに頼らず生きていける自分を取り戻そうと決めたのです。

変わらない夫

翌日、友人のツテを頼りに、すぐにパートの仕事を見つけました。ネット販売をする会社の事務です。久しぶりの仕事は、正直、体力的にも精神的にも大変でした。家に帰れば、いつも通り家事が待っています。


仕事を始めても夫は相変わらず私を見下します。「たかがパートのくせに『仕事』なんて偉そうに。家のことは今まで通りちゃんとやってくれよな。両立できないなら、無理せずやめたら?」


そんなことを言われるたびに心はちくりと痛みましたが、職場の先輩たちから感謝されるのは嬉しいことで、「自分にもまだ価値があるんだ」「必要としてくれる人がいるんだ」と、久しぶりに実感できました。外の世界で認められる感覚が私の支えになっていたのです。


一生懸命仕事をしていたからか、年月の経過とともに私はパートから準社員、その後正社員へと雇用形態を変え、ついには部門のリーダーを任されるようになりました。任される仕事が増えるほど大変さも増しましたが、不思議と「しんどい」より「楽しい」が上回っていたのです。

 

努力の末に手に入れたポスト

仕事を始めてから数年が経ち、思いもしなかった話を持ちかけられました。私が担当していた部門を切り出して子会社化するとのこと。その会社の役員になってほしいという、ありがたいお話です。これまでコツコツとやってきたことが認められた気持ちでした。


私はその話を受けることにしました。大きな会社ではないけれど、責任の重さを思うと背筋が伸びる思いです。

 

そのタイミングとほぼ同じころ、夫も会社でさらに昇進したとうれしそうに帰ってきました。それでも「やっぱり評価される男は違うな〜。お前は"パート上がりの正社員"だけどさ、レベルが違って悪いね」と、相も変わらず人を見下すような冗談混じりの言葉が続きます。


一緒にお祝いしたかったのに、心のどこかでズレが埋まらない感覚が消えず、自分の昇進のことは伝えられませんでした。

 

人を見下す夫からの解放

ある夜、夫から昇進祝いの外食に誘われました。食事中も夫は自分の話ばかりで、いつも通り私の仕事には興味を示しません。「今回の人事でついに俺は課長だぞ。一般社員のお前は、しっかり敬ってくれよな」と、どこか誇らしげに言います。

 

そこで私も昇進を報告しました。「実は私も声をかけてもらって……私の担当していた部門が子会社になって、その会社の役員を任されることになったの」と説明すると、一瞬夫は動きを止め、「お前が? 嘘だろ!」と目を丸くしました。


しかし、すぐにいつもの苦笑いが返ってきました。「いやいや、そういうのって形式的な役職ってパターンも多いだろ。ペーパーカンパニーの名ばかり社長とかいるじゃん。ベンチャーだとすぐに管理職になれていいなぁ~」


「小さい会社だけど従業員も十数人いるし、取引先もちゃんとあるよ。私が現場を見てきたから、任せたいって言ってもらえたの」と伝えても、夫からのお祝いの言葉はありません。

 

「……まあ、別にいいけどさ。どうせ年収はまだ俺のほうが上だろ? そんなに張り合わなくても、お前はお前で『頑張ってる』っていう実感を楽しんでればいいんじゃないの」


その言葉を聞いた瞬間、「ああ、この人は一生こうなんだろうな」と、妙に冷静な気持ちが湧いてきました。夫に見下されるたび、私の努力だけでなく、友人や仲間たちとの関係も、まとめてバカにされているような気がしていたのです。

 

「……ねえ。私、離婚しようと思う」と、ここ数年考えていたことがポロリと口からこぼれ落ちました。

 

夫は、最初こそ「は? 何言ってんの?」と笑っていましたが、私が本気だとわかると急に青ざめて、「俺、これから上に立つ立場になるんだぞ。ここで離婚なんてしたらイメージ的にマイナスだろ」と渋い顔をして、首を縦には振りませんでした。

 

しかし私は本気です。何度も話し合いを重ね、離婚が成立しました。

 

元夫からの連絡

離婚からしばらく経ち、仕事にも新しい生活にも慣れてきたころ、元夫から突然「少し話せないかな」とメッセージが届きました。嫌な予感はしましたが、一応話だけは聞くことに……。

 

元夫は、以前よりやつれて見えました。話を聞くと、役職からおろされて給料もかなり下がったので仕事を辞めたそう。元夫の話をまとめると、部下への不適切な言動がハラスメントとして問題化し、社内での立場を失ったようでした。最終的には自分から退職を選ばなければならない状況に陥り、再就職もうまくいかず、実家に戻っているようです。


「今さらだけど、戻ってきてくれないか。正直、ひとりだときつい……。お前がいたほうが、俺も頑張れる気がするんだよ」あまりにも都合の良い言葉に、思わず苦笑いしてしまいました。

 

夫がストレスをためないように生活環境を整えていたのは私。ストレスのはけ口になっていたのも私という事実に、今さらながら気づいたのでしょうか。


もちろん復縁する気はありません。そう告げると「だったらさ、お前の会社で俺を雇ってくれないか? 即戦力になるし、マネジメントを任せてくれたら業績アップ間違いなしだから!」と、信じられないことを言います。


思わず、ため息が出ました。きっと夫は「自分の何が悪かったか」には気付いていないのでしょう。


「うちの会社は、思いやりを大事にしているの。今までのあなたの言動ではうまくいかないと思う」と言っても引きません。私は「どうしても働きたいなら、採用フォームから応募してみて。あとは人事が判断するから。私は、そこに口を出すつもりはないよ」と言って話を終えました。

 

人生の分かれ道

その後、共通の知人から聞いた話によると、元夫は再就職先でもうまくいかず、短期間で職場を転々としているそうです。本人は「元妻に人生を狂わされた」と愚痴っているそうですが、その話を真剣に聞いてくれる人は、もうほとんどいないのだとか……。


一方の私はというと、日々忙しく働いています。もちろん大変なことは多く、肩書きに見合う仕事ができているか不安になる夜もあります。それでも、スタッフや取引先と一丸になって数字を伸ばせたときの喜びは、なにものにも代えがたいものです。

 

しかし、思い返してみれば、専業主婦だったころの自分も充実していたように思います。夫との気持ちのズレさえなければ、家を支えることにもたしかなやりがいを感じていたのです。

 

どんな生き方にも、それぞれの大変さと誇りがあります。家を守ることを選ぶのも、外で働くのも、本来どちらが優れているということはありません。大切なのは、どんな立場であっても、日々の頑張りをきちんと尊重してくれる環境で過ごせること。


その当たり前の土台さえあれば、人は自信を持って自分の道を選べるのだと思います。

 

 

【取材時期:2025年11月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    シェアする

    • コメントがありません

    この記事の著者
    著者プロファイル

    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

    読者からの体験談をお届けします。

    同じ著者の連載

    新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!
  • 気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    エンタメの新着記事

  • PICKUP