「私の彼氏、お姉ちゃんにあげる」
私には、とても美人で自信家の妹がいます。昔からモテるタイプで、交際相手に困ったことはありませんでしたが、その裏には“略奪グセ”がありました。私が異性との交際を始めるたびに、妹は必ずと言っていいほど相手を奪おうとしてきたのです。
そのため私が社会人になってからは距離を置き、彼女も連絡を取っていませんでした。
そんな妹から久しぶりに連絡が届いたのは、私の誕生日でした。
「誕生日プレゼントに、私の彼氏あげる」
意味がわからず戸惑っていると、妹は「もっと条件のいい男性と出会ったから乗り換える。前の彼氏がしつこいから、おふるを引き取って」と、一方的に元彼の連絡先まで送りつけてきたのです。あまりの身勝手さに呆れ、私は返信する気になれず無視することにしました。
私は交際していた彼と入籍
その日の夕方、別の人物からメッセージが届きました。
「無事に婚姻届を出してきたよ」
相手は、私が交際していた男性。私たちは入籍日を誕生日に合わせており、その日夫婦になりました。妹には何も伝えていませんでしたが、夫には妹の性格を説明していたため、彼は「きみが嫌なら言わなくていいよ」と理解してくれていました。
幸せな新婚生活が始まり、しばらく経ったころ、再び妹から連絡が。
「まだ元彼に連絡してないの?」
私は「会うつもりもない」とだけ返信しましたが、妹は不満そうでした。
さらに、妹は得意げにこう言いました。
「今の彼、医者なの。運命的な出会いだったんだよ」と。
病院名と名前を口にした瞬間、私は息をのみました。それは――夫の勤める病院、そして夫の名前だったからです。
その人…私の夫なんだけど
衝撃で言葉が出ませんでしたが、私は正直に伝えました。
「その人、私の夫だと思う」
妹は当然信じてくれず、冗談だと言って笑い飛ばしていました。
慌てて夫にこのことを話しました。不安になり「浮気とかしていないよね?」と聞くと、「それは絶対にない」と返してくれました。そして、「心当たりがある」と口にした夫は、こんなことを話してくれました。実は、夫は以前、駅で体調が悪そうな女性を介抱したことがあったよう。その女性には勤務先の病院名と名前を伝え、女性からは名刺を受け取った、とのこと。ただこの女性とはもちろん連絡は取っておらず、このとき以降会うこともなかったと言います。
そう、このときの女性というのが……妹でした。
妹はこのときの出来事だけで、一方的に“付き合っている”と思い込んでいたようなのです。
そして私は妹に電話をし、夫の口から
「あなたとは付き合ってもいません。僕は妻を大切にしています」
と妹にキッパリ言ってもらいました。妹は「そんなことない!」「あんなにやさしくしてくれたのに!」と叫んでいましたが、一方的に電話は切られました。
略奪グセのある妹の末路
翌日、妹から再び連絡が届きました。
「元彼の連絡先教えて。消しちゃったから」
夫に相手にされなかったため、元サヤに戻ろうとしたのでしょう。
私は元彼に今回の経緯をすべて説明し、「あなたを大事にしない人に時間を使う必要はない」と伝えました。元彼は妹に「もう連絡してこないで」とはっきり告げたそうです。
その後、妹は誰からも相手にされなくなり、すっかり自信をなくしたと母から聞きました。今回の一件で思い通りにならない経験をしたことで、少しは自分のおこないを見つめ直してくれたのではないかと思います。妹とはもう距離を置くつもりですが、いつか他人を振り回さず、まっすぐに人を大切にできる恋愛ができるようになってほしい――そう願っています。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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