「虫嫌い」をぶりっ子だと言われ…
息子が幼稚園に入園し、初めての親子遠足が公園で開催されました。親子レクリエーションを楽しみ、お弁当を食べたら自由時間のスタートです。息子は最近Aくんと仲良くしているようで、2人で虫探しへ出発。Aくんのママは、5人の男の子を育てるサバサバした印象のママで、周りには数人のママが集まってしゃべっていました。
「みんな楽しそうだな」と、元気に遊ぶ園児たちの様子をボーっと見ていた私。次の瞬間、「ねぇ〇〇くん(息子)のママ見てー!」と、大きなカマキリを持ったAくんが、私のすぐ近くにいたのです。
近くにいることに気づかず、虫が大の苦手な私は「やだやだ!」と、とっさに避けようとしました。しかし、運悪くカマキリが背中にのってしまったのです。「ぎゃー!」と、私はその場で大きな声を出し、腕を強く振り回した反動でカマキリが落ちました。「あー、落ちちゃったね」とAくんは言って「また探してくる~」と行ってしまったのです。もう私は全身に鳥肌がたち、心臓もバクバク。近くにいた他の園児のパパが「大丈夫ですか?」と声をかけてくれました。
しかし、「ちょっと! 虫くらいでそんな大げさじゃない? 虫が苦手なんて情けないわ」と、Aくんママが近寄って来て言います。「あ、ごめんなさい。虫が大の苦手でパニックになってしまって……」と返した私。
それで終わるかと思いきや「本当に〜? まさか、虫が苦手ってことにして、周りのパパたちと仲良くなろうと思った? いい大人がぶりっ子して恥ずかしいよ」と、難癖をつけられたのです。
「何事?」と、周りの保護者の視線も集中し、「虫が苦手でびっくりしただけなのに、なんでそんなこと言われないといけないの?」と、私は傷つき立ち尽くします。すると、近くにいた同じクラスのママたちが「Aくんママ、それは言い過ぎですよ。虫が嫌いなのは仕方ないし、私もふいにやられたら騒いじゃうかも」「ぶりっこ子だなんて感じないし、遠足の楽しい雰囲気が悪くなるからやめましょう」と口々に助けてくれたのです。
保護者たちに制されたAくんママは、おもしろくなさそうな顔ながらも「でも、虫は耐性つけたほうがいいと思う」と言いながらも「なんか、いろいろとごめんなさいね」と謝罪してくれました。
Aくんママが言うように、「大人で虫嫌いなのは情けない」という考え方もあるでしょう。しかし、誰しも苦手なものはひとつくらいあるはずです。苦手なものを目の前に困っている人がいたら、からかったり見下したりするのではなく、手を差し伸べてあげられる人でありたいと思った出来事でした。
著者:山崎はる/30代・ライター。6歳の男の子と2歳の女の子の元気いっぱいな兄妹を育てるママ。共働き夫婦だが、夫の激務でほぼワンオペ状態。家事と育児、仕事の疲れは、大好きなどら焼きを食べて癒している。
作画:ryo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)
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