憧れの会社
僕は掃除が好きで、仕事前に体を動かすと気持ちが整うため、いつも会社にきたら軽く掃除をしてから仕事を開始しています。
「今日も早いねぇ」
社長に声をかけられ、僕は笑って頭を下げました。女性社員たちが「あなたが来てからオフィスがきれい」と声をかけてくれるのも、いつもの光景です。
その日、僕はある会社へ商談に向かう予定がありました。僕がずっと一緒に仕事をしたいと思っていた会社で、長い時間をかけてやっとアポが取れたのです。
そのためいつも以上に気合を入れて商談へと向かいました。
あからさまな差別をするA
受付を通り、商談スペースへ通されると、現れたのはAという男性でした。笑顔で挨拶をしてくれたAに、「いい人そうだ」とほっとしていたのですが……あまり商談はうまくいきませんでした。
僕がうまく話せなかったというということもあり、その場は重い雰囲気に。
「若い方だし、少し荷が重かったかな?」
僕が自分の年齢を伝えると、Aは「まだ大学を卒業して数年か…若いね! 大学では何を学んでいたんですか?」と聞いてきました。僕は、高校を卒業してすぐに社会人になったため「大学には行っていなくて…」と答えるとAの表情が一変。
「もしかして高卒!? 高卒の営業がうちに来るなんて、随分安くみられましたね!」
静かな部屋に響くAの声にびっくりして、僕は何も言い返すことができなくなってしまいました。僕の会社では、学歴を指摘されることはなかったものの「学歴を気にする人もいるよな…今回は縁がなかった」と思い、帰ろうとしたところ、ある人物が会議室に入ってきました。
登場したのは…幼なじみ!?
「その言い方はどうかと思います」
声が聞こえて振り返ると、そこに立っていたのは長い髪の女性。
彼女の姿にAは明らかに動揺した様子でした。状況から見るに、彼女はAの上司のよう。この女性、なんだか見覚えがある……と思っていると……。彼女は僕を見て「久しぶり」と柔らかく微笑みました。
そこで僕はハッとしました。彼女は小学生のときの同級生だったからです。
僕が商談で会社にくることをたまたま知り、打ち合わせが終わったら声をかけようと待機してくれていたようです。そのとき、Aの言葉が聞こえてきて会議室に入ってきてしまったのだとか。
「いつも学歴で人を見ないでくださいって言っていますよね」
そう彼女がAに指摘をすると、Aは小さく謝り、「またご縁がありましたら」と会議室から出ていってしまいました。
Aは学歴で人を見るところがあった
その後、彼女とは連絡先を交換。Aについては、普段から学歴で人を見るところがあり、たびたび指摘していたのだそうです。「失礼なことを言ってごめんなさい」と彼女からも謝罪をされてしまいました。
会社でも商談がうまくいかなかったことに合わせ今回の件を説明すると「大変だったね。あなたの良さは他にあるのに!」と温かい声をかけてくれました。そんな周りの人の発言を見て、僕はやはりこの会社で働いていてよかった!と思っています。
そしてあのとき再会した幼なじみとも、食事に行くことに。改めて会った彼女は、とてもきれいだと感じて……2人で会うとなると緊張してしまいました。まだまだこれからですが、彼女との関係が進展できたらうれしいな、なんて思ってしまいます。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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