おしゃれな家に住んでますよね!
その日Aは、当時2歳の娘を連れ、地域の子育て支援センターに初めて行きました。そこで、目が合った女性Bが「こんにちは。初めてですか?」と、話しかけてくれたのです。話してみると、Bは11歳と7歳の男の子、4歳と2歳の女の子のママで、1番下の子がAの娘と同級生。子育て経験が豊富で、ママ同士の歳もほぼ同じといろいろ共通点があったので、すっかり意気投合し、その場で連絡先を交換しました。Aは、その町で初めてママ友ができてうれしかったそうです。
しばらくすると、A宅へ招くまでの仲になり、AはBと過ごす時間が楽しみでした。また、Bはいつもスマホで子どもたちが遊ぶ様子を撮っていて、Aにその写真を共有してくれていたそう。
やがてBと出会ってから半年ほどたったころ、Aは娘を連れて近所の公園に出かけました。すると、「もしかして、〇〇ちゃん(Aの娘)ですよね?」と、3歳くらいの男の子を連れた初対面のママが、娘の名前を言いながら話しかけてきたのです。「え?……はい。そうですけど?」と、急に娘の名前を呼ばれたAは状況を理解できずにいました。
そのママは「やっぱり! Bさんのとこで最近よく見かけるから!」「すごくおしゃれな家に住んでますよね」と言うのです。「え、どういうこと!?」と、意味がわからずAが聞き返すと「ん? ほら」と、そのママはスマホを取り出し、BのSNSを見せてくれました。
そのSNSは、非公開アカウントでしたが、Aの娘の顔や名前、A宅が載った投稿がいくつかあったのです。キャプションには「最近よく遊ぶAちゃん。△△市にあるおうちも広いし、フォロワーの中にも近くに住んでる人がいるかも? 娘同士も仲よくていつも楽しそう!」とAの家やAの娘をほめてくれる内容だったのですが……。Bに掲載を許可した覚えは一切なく、自分のSNSでも子どもや家のことなどを載せたことのないAは「何これ……」と、BのSNSを見て絶句。Bには500人ほどのフォロワーがいて、Aの娘やA宅の情報が勝手に公開されていたのです。
この状況に居ても立ってもいられなくなったAは、「ごめんなさい。ちょっと用事が」と公園を離れ、Bに急いで電話しました。「どうしたの?」とのん気に話すBとは対照的に、「ねぇ、なんで娘や私の家を勝手にSNSに投稿してるの? すぐに削除して!」と、Aは詰め寄ります。
Bは「えー? 別に友だちしか見ないんだからいいじゃん。私は顔が広いし、あなたにママ友が増えるかと思って載せてあげたんだよ?」と、クスクス笑いながら返してくる始末。「そんなこと頼んでないよ! 娘に何かあったらどうするの?」と友人が言うと、怒ったBは「は? 非公開アカウントだから大丈夫でしょ。せっかくママ友になってあげたのに、この恩知らず!」と逆ギレ! Aは「とりあえず、今から家に行くから」と、B宅に急ぎ、その場で娘が写っているSNSや携帯の写真を強制的に削除させたそうです。それでもBは「誰も悪用しないのに~」と危機感もなくあっけらかんとしていたので、Aはそれ以降関わるのをやめたとのことでした。
いくら親しい間柄でも、他人のプライバシーを勝手に不特定多数の人が見るSNSへあげてはいけないと私は思います。この一件から、今後は安易に人を自宅へ招かない、子どもの写真撮影やSNSへの投稿について、明確に自分の思いや考え方を伝えておくことを徹底したほうがよいと学びました。「今までは大丈夫だった」「相手も良識があるだろう」という思い込みを捨て、自分から一歩踏み込んでプライバシーに関する線引きをすることが大切だと感じた出来事でした。
著者:山崎はる/30代・ライター。6歳の男の子と2歳の女の子の元気いっぱいな兄妹を育てるママ。共働き夫婦だが、夫の激務でほぼワンオペ状態。家事と育児、仕事の疲れは、大好きなどら焼きを食べて癒している。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)
【Amazonギフト券プレゼント♡】みなさまの体験談を募集しています!
妊娠中や子育て中のエピソードを大募集!「ベビーカレンダー」のニュース記事として配信、公開いたします。体験談を掲載させていただいた方の中から、抽選で毎月5名様に1000円分のAmazonギフト券をプレゼント。何度でも応募可能ですので、奮ってご応募ください♪どうぞよろしくお願いします!