また義母から連絡が……
結婚して5年。私は義母から定期的に「いいもの、あげるから持っていくわね♪」という連絡を受けていました。
最初は「お義母さんって親切な人なんだな」と思っていましたが、実際に持ってきたものとは……。
糸がほつれたタオル、テフロンが剥げたフライパン、そして、賞味期限が半年以上過ぎた食品、前日の食べ残しなどなど。
「これ、あげるわ。感謝しなさいね」
いつもニヤリと笑いながらそういう義母。
最初は「ああ、お義母さん、物を大切にするんだな。でもいらないのに」と思っていたのですが、だんだん「これって嫌がらせなのでは……」と感じるように。もしくは、自分で捨てるのは罪悪感があるけど使いたくもない、そこでゴミ箱代わりにうちに持ってくるのかなと。でも、角を立てたくない私は、いつも笑顔で受け取っていたんです。
そんなある日曜日の朝、義母から連絡が入りました。
「今日、また持っていくから。ちゃんと家にいなさいよ」
いつもの高圧的なLINE。私は思わずため息をついたのですが……そのとき、ちょうど義姉が遊びに来ていたんです。義姉は義母の長女で、はっきりした性格。普段から「お母さん、やりすぎよ」と義母に意見できる唯一の人でした。
私はふと、あることを思いつきました。
「お義母さん、今日いらっしゃるんですか!ちょうどほしかったんで、喜んで待ってます!」
そうLINEを返すと、義母は戸惑った様子。それでも、「午後には行くからね!」と念を押されて会話が終わりました。
義母、意気揚々と登場
午後2時、義母がやってきました。
いつものように大きな紙袋を抱えて、ニヤリと笑っています。
「はい、これあげるわ。感謝しなさいよ」
袋の中を見ると……案の定、賞味期限が1年前に切れたレトルト食品と昨日の夕飯の残骸と思われるもの、そしてシミだらけのエプロンが入っていました。
「まあ!ありがとうございます!ちょうど欲しかったんです!」
私がわざと大げさに喜んで見せると、義母は満足そうに鼻を鳴らしました。
その瞬間……。
「ちょっとお母さん、何してんの!」
リビングから義姉が姿を現しました。
「あら……お姉ちゃん……」
義母の顔がサッと青ざめます。
義姉は義母が持ってきた袋の中を覗き込み、賞味期限切れの食品を手に取りました。
「ちょっとお母さん、何してんの!これ、1年前に切れてるじゃない!」
「い、いや、これは……」
「これだって夕飯の残りでしょう?まさか、こんなの毎回持ってきてたの?嫁いびりもいいとこじゃない!」
義姉の怒りは収まりません。義母は言い訳をしようとしましたが、証拠を目の前にして何も言えなくなりました。
義姉の前で約束させられる事態に
「私、知らなかったわ……お母さん、ひどいよ!弟のお嫁さんに何してるの!」
さすがに図々しい義母も、いたたまれなくなったみたいで、真っ赤になりながら「いや、そんなつもりはなかったんだけど……今後は気をつけるわ」と義姉の前で約束。
義母は顔を真っ赤にして、そそくさと帰っていきました。
あの日以来、義母から「いいものをあげる」という連絡は一切来なくなりました。義姉が義母にしっかり釘を刺してくれたおかげです。
後日、義姉から「いつもあんなことされてたの?もっと早く言ってよ」と心配されましたが、今はスッキリした気持ちでいっぱいです。
まさか、義姉の訪問が救世主になるとは……!
今では、義母も以前のように普通に接してきますが、さすがに賞味期限切れのものを押しつけることはなくなってよかったです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。