反省せず、暴論で反撃する義母
私は、ケンが帰宅してすぐ、お義母さんが今までも調味料を舐めていたことを伝えました。
するとケンは、意を決したような表情で「俺から話す」と言ってくれて……。











義母が見ていたテレビを消して、話し始めたケンさん。
「テレビで見るよな? 店でふざけてソースの容器とか舐めて、大騒ぎになってるやつ。母さんがやったのは、あれとまったく同じことだぞ?」
ケンさんがニュースを例に挙げて、調味料を舐めていたことを追及すると、義母は鼻で笑い、耳を疑う暴論を吐きました。
「全然違うじゃない。それはお店で他人に迷惑がかかるからじゃない。ここは『家』で、私は『家族』なんだから問題ない! 迷惑な人と一緒にしないで!」
悪びれる様子もなく、開き直る義母にケンさんはあぜん。
「そのマヨネーズ、俺たちも使うんだぞ!?」とケンさんが言い返すと、義母はあきれたように「家族なんだから気にならないでしょ?」とひと言。
義母の言動に、ケンさんは「気になりすぎるわ!!」とブチギレ。すると今度は「ユリさんに吹き込まれたのね。私をいじめて楽しい?」と目に涙を浮かべながら大げさに被害者ぶる義母……。
ユリさんが冷静に諭そうとしても「全部アンタのせいよ!」と責任転嫁してティッシュ箱を投げつけます。
「家族だから平気」「私はキレイ」という、義母の暴論は食卓だけにとどまらず、家のあちこちでユリさんを苦しめていたのでした。
◇ ◇ ◇
「外食テロと同じ」というケンさんの鋭い指摘に対し、「家だからいい」「家族だから気にならない」と開き直る姿には開いた口が塞がりませんね。家族なら何をしても許されるというわけではありません。衛生管理を適当にしていいという理屈も、もちろん通りませんよね……。
話し合いが平行線をたどる場合は、無理に相手の理解を求めようとせず、共有しないなど物理的な距離を取って自衛することもひとつの策ではないでしょうか。相手が一緒に生活する家族の場合、苦手だからという理由で簡単に距離を置くことのできない関係ではありますが、我慢する必要もないはずです。一緒に生活しているからこそ、適度な距離を取り、相手への配慮を忘れず、お互いに心地よく過ごせる努力をしたいですね。
小出ちゃこ