いつのまにか彼の仕事も僕の仕事のひとつに…
僕は旅行会社の営業として働いています。そのため夏休みや年末年始といった長期休暇シーズンが近づくと、毎回多忙を極めていました。
だからこそ、同じ職場の人たちと協力し合って乗り越えたいのですが、どうやら僕の同僚であるAはそう思っていないようで……。明るく、女性にモテるAはプライベートが忙しいらしく、僕に仕事を押し付けてさっさと帰ってしまうことが多いのです。
迎えたクリスマス当日も、Aは「今夜デートあるからヘルプよろしく!」と言ってきました。僕は「また…?」と呆れてしまいました。でも今に始まったことではないので、「お前も早くいい人が見つかるといいなぁ!」と言って去った彼を引き留めようとしませんでした。
意外な人からの意外な申し出
その後、僕が仕事を進めていると、後ろから「手伝いましょうか?」と話しかけられました。
振り向くと、そこには、社内で美人と言われているBの姿が。彼女とはこれまであまり接点がなかったため、僕は「いきなりどうしたんだろう…」と驚いてしまいました。けれども、ひとりでAから押し付けられた仕事を終わらせるには時間がかかりそうで……。僕は、「手伝ってくれるとうれしいです」と彼女の言葉に甘えることに。「もちろんです。一緒に頑張りましょう!」と笑顔で言ってくれた彼女のやさしさが心に染みて、嬉しい気持ちになりました。
すると「な、なんで…」と驚愕したような声が聞こえてきて……。そちらへ視線を移すと、退勤したはずのAがいました。
“今日の予定”に齟齬あり!
どうやらAは僕の仕事を手伝おうとした彼女を見て驚いたよう。僕を無視して彼女に駆け寄り、「なんでこいつの仕事を手伝ってるんですか? 今夜は僕とデートじゃないですか!」と大声を上げました。
僕は、今夜のAのデート相手が彼女だと知りませんでした。ただ彼女自身も「え? デート?」と初めて知ったような様子で……。どうやら、2人の間で今夜の約束に齟齬があったみたいでした。
2人の会話によると、AとBはクリスマス当日にカフェに行く約束をしていたとのこと。しかし、Aは「この仕事について分からないから急いで教えて!」と言ってBを誘ったため、デートだと思い込んでいたのはAだけだったそう。
だから彼が僕に「今夜デートあるから」と言っているところを目撃したBは、「今夜カフェに行く予定はなくなったんだな」と思ったようでした。
彼の業務態度を把握していたのは僕だけじゃない!?
「いや、ナシになったわけではなくて…」と必死なA。しかし、彼の魂胆に気付いたBは「そういう目的なら、会社外で会うのはやめましょう」ときっぱり拒絶。落ち込む彼に「相談事はまた今度、会社内でしましょう」と言い放ちました。
それから彼女は僕と一緒に仕事を再開しようとしましたが、Aは引き下がらず……。僕とBの周りをうろつき、僕に別件の進捗状況について相談してきたBに「それなら俺だって詳しいですよ!」と食いついてきました。
しかし、BはAのことを見向きもしませんでした。彼の成績が最近悪いことを指摘しつつ、「そういう時期もあるでしょうけど、あなたは人に仕事を押し付けてばかりだからダメなんじゃないかな」と指摘。何も言い返せなくなった彼は、顔を真っ赤にして帰っていきました。
その後は僕と彼女ふたりで力を合わせて、溜まっていた仕事をすべて片すことができました。さらに、今回の件がきっかけで、彼女とよく話すように。少しずつ距離が縮まり、僕は彼女から「仕事のことで相談したいから、今度レストランに行きませんか?」と誘われました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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