お家の"たまご"これやっちゃってない!?【正しい保存方法とNG例】
たまごは殻に守られているように感じますが、実は温度変化や湿気、扱い方に大きく左右されるデリケートな食材です。
普段日常的に使う食材だからこそ、その取り扱いには注意が必要です。
「たまごのやりがちなNG保存」についてまとめてみました。
NG①ドアポケットに入れている

冷蔵庫のドアポケットは庫内でも高温&温度変動が大きく、温度変化を嫌うたまごの保存には不向きな場所です。
開閉のたびに冷気が逃げ、温度差で結露が発生すると菌の繁殖リスクが高まります。
たまごは冷蔵庫の奥、10度以下の安定した場所で保存するのが理想的です。
生食可能期限の考え方もこの温度帯を前提にしているので、注意してください。
冷蔵庫内奥の方の、安定した棚での保存をおすすめします。
※参考:日本養鶏協会『たまごの知識』
NG②洗ってから保存する

たまごの殻には「クチクラ」と呼ばれる天然の保護膜があり、これが菌の侵入を防いでいます。
家庭でたまごを洗うと、この膜が取れてしまい、かえって傷みやすくなることもあるため、おすすめできません。
汚れが気になる場合は、乾いた布で軽く拭き取る程度にしましょう。
ちなみに、厚生労働省のHACCP手引や検疫所資料でも、たまごの洗浄は工場工程で行い、150ppm以上の次亜塩素酸Na等で殺菌するなどのプロセスで管理することが記されています。
ここからも、家庭で安易に洗う前提ではないことが読み取れるでしょう。
NG③常温に長く置いている

スーパーでは常温で売られているので、そのまま常温で保存しても良さそうな気がしますよね。しかし、購入後は冷蔵保存するようにしましょう。
理由としては、スーパーは温度管理が一定でしっかりされていますが、家庭ではキッチンが暖かくなったり寒くなったり、湿度が上下します。
その温度変化で結露が生じ、結露で濡れた殻の表面から菌が侵入するリスクが発生するためです。
消費者庁の食品表示基準解説でも、“冷蔵流通に切り替える場合は流通から消費まで一貫冷蔵が望ましい。途中で温度差が生じ結露すると品質に悪影響”と明記されています。
購入後はすぐに冷蔵が推奨されており、家庭は温度管理がスーパーなどに比べて不安定なため、結露・温度差リスクがあるとされているのです。
ここからも、家庭での温度差が結露リスクにつながる→温度を一定に保てる冷蔵保存が推奨される、ということが読み取れるでしょう。
※参考:消費者庁『食品表示基準について』
生たまごを食べる場合は特に注意
また、日本は生たまごを食べる文化があるため、より安全性を高める必要があります。
食品安全委員会の特集・リスクプロファイル(鶏卵とサルモネラ)においても、生食文化に対する低温保存や衛生管理の重要性が周知されています。
基本的にたまごは「冷蔵保存」が前提で流通しているため、買ってきたらすぐに冷蔵庫へ入れるのが鉄則なのです。
NG④割って保存している

たまごを割って、半端に残ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、「もったいないから冷蔵庫でとっておこう!」は絶対NGなんです。
殻がなくなることで、菌が直接入りやすくなり、傷んでしまう原因に。
厚労省の注意喚起(食中毒防止)にも、割卵して放置すると細菌が増殖しやすく危険である旨が記されています。
たまごの"割り置き"や"混ぜ置き"はしないようにしましょう。
また、同じ理由から、殻にヒビが入った"ヒビたまご"の生食も避けるようにしてください。
ヒビが入ってしまったたまごは必ず加熱して食べましょう。
日本卵業協会も注意喚起しています。
たまごを安全に使うために!【正しい保存方法とNG例を知る】

たまごは見た目が変わらず、傷みに気づきにくい食材だからこそ、日頃の保存習慣がとても重要です。
特に生食文化のある日本では、たまごの安全性を保つことがとても大切!
日々の保存方法を見直すことで、料理の仕上がりだけでなく、家族の安心にもつながりますよ。
この記事を参考に、たまごの安全な保存について見直してもらえたら嬉しいです。