夫「じゃあ俺が舐めても平気?」
「マヨネーズと、洗濯機の件だけど、どっちも母さんは『自分はキレイだから問題ない』って言ったよな?」
ケンがそう切り出すと、お義母さんは悪びれもせず「そうよ? 私は毎日お風呂にも入ってるし、清潔なの!」と反論してきて……。













ケンさんは、「俺は潔癖症で清潔だし、母さんの息子だから『家族』だよな?」と確認したうえで、ある質問を投げかけました。
「その『キレイな俺』が、新しいマヨネーズの口を、母さんの目の前で舐めたら、母さんはそのマヨネーズ、平気で使えるのか?」
そして、なんとケンさんは、新品のマヨネーズを直接ペロっと舐め、義母に差し出したのです!
「ほら、使ってよ」
そう言われても、義母は明らかに嫌がり、マヨネーズを受け取ることができません。
さらにケンさんは「じゃあ洗濯機は? 今、母さんの枕カバーを洗ってるんだよ。丁度すすぎだから俺の汗かいた下着入れるね」と追撃します。
すると義母は、立ち上がって服を脱ごうとするケンさんを止めようとします。
慌てる義母に、冷たい視線を送るケンさん。「母さんのキレイは良くて、俺のキレイはダメなのか? 同じ家族で、同じキレイなのに?」冷静に矛盾を突きつけられた義母は、ぐうの音も出ず、押し黙ることしかできず……。
そこへ、息子・レンくんが帰宅します。レンくんに助けを求めた義母でしたが、レンくんもまた、冷ややかな目で義母を見据え、さらに追い打ちをかけたのです。
「へぇ。ばーちゃんはキレイなんだ? この前、僕が自分の箸で料理を取ったら、汚いって怒られたけど、ばーちゃんの理論なら、僕も家族だし、汚くないんじゃない?」と孫からの痛烈な正論パンチ。
自分勝手な理屈で家族を振り回してきた義母は、完全に逃げ場を失ったのでした。
◇ ◇ ◇
ケンさんの「目には目を」作戦、お見事でしたね。自分の理屈をそのまま返されたとたん、拒絶反応を示したということは、義母が自分の行為は不衛生なことだと本当は理解している何よりの証拠ではないでしょうか。
「自分だけは」という身勝手な基準は、共同生活において最も厄介な壁となります。矛盾を指摘されても、なお認めようとしない相手に、誠実な話し合いを期待するのは難しいのかもしれません。相手の矛盾を突いて一時的に黙らせることはできても、根本的な性格を変えることはできません。対話が成立しない場合は、話が通じない相手だと割り切り、同じ土俵で戦うのをやめて、事務的に生活空間を分けるなど、感情をすり減らさないための防衛策を実行に移す勇気を持ちたいですね。
小出ちゃこ