母親の息抜きを否定する義母
子育てに奮闘する毎日。夫は夜勤で、平日は力を借りられません。しかし、子どもたちも少し大きくなってきたこともあり、友人と「久しぶりに大人だけの旅行がしたいね。土日を使ったら行けないかな?」と話していました。夫に伝えると「有給が取れるから、子どもたちの面倒は任せて。たまには息抜きしておいで」と背中を押してくれたのです。夫からの理解を得られた私は、友人と2泊3日の韓国旅行を計画します。
ある日、子どもの誕生日のお祝いで義父母がわが家を訪れました。お祝いが一段落したころ、私は「実は今度、子どもを夫に任せて友人と2泊3日の韓国旅行に行く予定なんです!」と話しました。すると義母は顔色を変え、「え? 子育て中の母親が、家族を置いて海外に遊びに行くなんて、いくらなんでも非常識よ」「息抜きなら日帰り旅行で十分じゃない! 息子も孫もかわいそうよ」と言うのです。
私は「普段は子育ても家事もきちんとしているつもりです。夫も理解してくれてるから決めたんですけど……」と言葉を探しましたが、義母は聞く耳を持たない様子。そのとき、黙っていた夫が「母さん。俺たちは家族全員が無理しないことを大事にしているんだよ。彼女が楽しんで笑ってくれたほうが、子どもたちも僕もうれしい」と伝えてくれたのです。夫は続けて、「僕だって趣味の釣りで家を空けることもあるし、彼女が家を守ってくれている間に息抜きをさせてもらってる。お互いさまだろ?」と言います。そして横で聞いていた義父も「そうだな、なんならお前だって『育児よりも仕事がしたい!』って言って、子どもたちが小さいときも何日も出張で家を空けていただろ」と笑いながら話します。
義母はバツが悪そうに「それは仕事でしょ……。ただの旅行と一緒にしないで」と言ったあと、しばらく黙っていましたが「まぁ……。あなたたちがいいなら」とつぶやき、その場は収まりました。
たしかに、義父母が子育てをしていたころは「妻や母親が家庭を守る」という考え方の人が多かったのかもしれません。しかし、だからといってその感覚を押し付けて、「非常識だ」「子どもがかわいそう」と非難するのはやめてほしいと、私は思います。今回、夫の言葉で、わが家では母親だからといって我慢する必要はないと確信できてよかったです。お互いを尊重し合い、家事や育児を共有することが、わが家にとって何よりの家庭の安定なのだと思えた出来事でした。
著者:桂ゆかり/ライター。働く乗り物が大好きな5歳の男の子と、ティッシュをひらひらして遊ぶのが大好きな3歳の女の子を育てるママ。夫は夜勤のため、月〜土曜日までワンオペの日々を過ごしている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)