好き放題の義母
ある日、義母の希望で一緒に幼稚園まで息子を迎えに行きました。園舎から息子がお友だちと出てくると、義母は一目散に駆け寄り、息子を抱きしめて「ママが来たよ~」と言いながら顔を近づけました。義母が来ることを知らなかった息子は驚いています。孫に会えて相当うれしかったのでしょう。いつにも増してテンションが高い義母は、やたらと自分を「ママ」と呼びます。
それを聞いた息子のお友だちが不思議そうに「○○くんのママじゃないでしょ? おばあちゃんだよね?」と尋ねるも、「ママみたいなものだからいいのよ~」と開き直る義母。お友だちは「え~おばあちゃんなのに『ママ』って変なの!」と言い、息子は恥ずかしさで真っ赤に。「ほら、『ママ、ただいま』でしょ?」と息子に「ママ呼び」を強要する義母に、息子は思わず「ばあば、もうやめて。僕のママはママだけだもん。嫌だ」と言いました。孫からの思わぬ言葉に義母も一瞬うろたえましたが「何言ってるの! 昔からママでちゅよって言ってきたじゃない」と言うのです。
義母の言葉に対し、息子が「ママ(私)がずっとやめてって言ってたのも知ってるよ。僕も本当は嫌だったけど、ばあばが喜ぶから我慢してたんだ」と話すのを聞き、私は息子にそこまで気を使わせていたのかと、申し訳なさとショックを感じました。しかしここでどうしても折れたくない義母は、「ばあばじゃない、ママなの! 言うことを聞かない子はかわいくないわね」と悪態をつき始めました。
私の気持ちどころか、息子の気持ちさえ無視する義母の態度に我慢ができなくなったときです。「いや、ママじゃないですよね? そんなのでよく今まで孫に会わせてもらえていましたね。私だったら絶対に無理です。○○くんにも嫌だと言われているのに、孫に嫌われてでもママって自称したいんですか? やさしいお嫁さんと本音を伝えてくれた○○くんに感謝すべきですよ」と義母にきっぱりと言ってくれたのは、息子の隣にいたお友だちのママでした。これにはさすがの義母もタジタジに。
すると、息子が義母に「ばあば、もう僕にママって言わないでね? それと、ママにもごめんなさいだよ!」と言うではありませんか。孫からの言葉を無下にはできず、「そ、そうね。ばあばだもんね。ごめんなさい」と義母は謝り、その後「用事を思い出した」とそそくさとひとりで帰っていきました。
息子のお友だちのママにお礼を伝えると、「迎えに行ったらお話が聞こえちゃって。急に割って入ってごめんなさい。でも、私も昔、身近な人が自分本位な言動をしたときに、第三者の人が気持ちを代弁してくれて助かった経験があって」と話してくれたのです。それ以来、義母が自分をママ呼びすることはなくなり、適度な距離を保てるようになりました。
「甘えと我慢」で成り立っていた義母との関係が、今回の件でようやくお互いを尊重できる「適切な距離感」へと再構築でき、ほっとしています。自分はよくても、相手の気持ちを大切にできなければ、いつか修復できないほど関係が崩れてしまう可能性もあると思います。手遅れになってしまう前に、今後も今回のようなことが起こったら、助けてくれたママさんのように気持ちをはっきり伝えて関係修復をしていこうと思った出来事です。
著者:立川りか/30代・ライター。7歳の男の子を育てるママ。息子の好きを全力で応援するため日々奮闘中。虫が大の苦手だが、息子の虫取りに付き合ってきたおかげで少しだけ耐性がついてきた。食後のデザートや週末の晩酌がご褒美。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)