義母の孫自慢に付き合わされ…
5年ほど前、長男を出産したときの話です。初めてのことだったため、私は里帰り出産を選択。出産前は母と過ごしたり、ベビー用品を買いに行ったりと、のんびり過ごしていました。そしてやがて、無事に出産。母子ともに健康で、大きな問題なく退院しました。私は、退院後も1カ月は実家で過ごす予定を考えていましたが……。
退院して1週間くらいしたとき、もともと同居していた義母から電話がありました。「ねえ、そろそろ帰ってこないかしら? 赤ちゃんに会いたがっている人がいるのよ〜」と義母。「え? 私、1カ月くらいは実家にいる予定ってお話ししましたよね?」と伝えると、「私もいるんだから早く帰ってきても大丈夫よ」と言って、電話は一方的に切られてしまいました。すぐに夫に相談しましたが、「母さんも孫に会いたくて舞い上がってるだけだよ。気にしないでいい」と楽観的な返事です。しかし翌週にも義母から電話があり、「あなたのお母さんも大変でしょう。そろそろいいんじゃないの?」と再度迫られる始末。どう断ろうか考えましたが、「それだけ言うなら赤ちゃんのこと手伝ってくれるのかも」と淡い期待もあり、産後2週間で自分の家に帰ることにしたのです。
帰宅して数日後、義母は「お隣さん呼んでいいかしら?」と言うので、少し戸惑いながらも承諾。その後も、次は義姉、次は親戚、次は友だちと、連日代わる代わる誰かが赤ちゃんを見にきたのです。来客があるのは夫も義父も仕事で不在の日中だけ。夕方に2人が帰宅するころには客も引き上げているため、私がどれほど疲弊しているか、彼らは全く気づいていませんでした。
夫に「毎日誰かが来て休めない」と訴えても、「賑やかでいいじゃないか。みんなに祝福されてるんだよ」と、深刻に受け止めてもらえません。もちろんたくさんの人にかわいがってもらえるのはうれしかったのですが、初めての育児でまだ生活リズムも掴めていない状態です。ひどいときには、授乳中に呼ばれることも。しかし、義母は育児を手伝ってくれることもなく、毎日誰かを呼んで孫を見せては、大声で喋り……。よく知らない相手にわが子を抱っこされ、笑顔で対応しなければならず、正直うんざりでした。
そして翌週、さすがに疲れが溜まっていたので、「今週は誰も呼ばないでほしいです。ちょっとお休みしたくて」とお願いすると、義母はムッとした表情に。「誰かが来たって、あなたは赤ちゃんを見せるだけじゃない。甘えすぎよ! 初めての孫なのに誰にも見せないほうがおかしいわ!」と叱責するのです。その言葉に、私の我慢も限界に達します。「私も初めての子どもなんです!」と大きな声で反論。「今は、赤ちゃんのリズムに合わせるのにいっぱいいっぱいです!」と言い放ち、そのまま不機嫌な顔で自分の部屋に戻りました。
その夜、部屋から出ない私と明らかに機嫌の悪い義母を見て、ようやく事の重大さに気づいた夫が、義母と義父を交えて話し合いの場を作ってくれました。日中の惨状を知った義父からも「出産経験のあるお前が理解してやらんでどうするんだ」と注意があり、義母もさすがに反省したのか、その後数日間は来客はなく、穏やかに過ごせました。そして義母から「この前はごめんなさいね。初めての孫だからうれしくて、つい……」と謝罪が。夫も「賑やかでいいとか、俺も他人事みたいなこと言ってごめん」と謝ってくれました。
初めての孫で舞い上がるほど喜んでくれたのは、私としてもうれしいことです。しかし、自分の「孫を見せびらかしたい」という欲求を優先するあまり、産後の母親の体調や状況を二の次にされたのは少し残念に感じました。自分に子どもを産み育てた経験があるからこそできる、産後の母親への気配りや思いやりもあると思います。私が義母の立場になったときは、自分の希望を押し通すのではなく、まずは相手の心身に寄り添い、一番に尊重できる存在でありたいと強く思った出来事でした。
著者:中村あんな/30代・ライター。5歳の男の子と2歳女の子を育てるママ。家計を支えるため、ライターの傍らパートも開始。夫は激務のため、子育てはほぼワンオペ状態。常に子どもたちが楽しめるイベントや遊び場を模索中。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)