ブランド品を買い漁るA男
同棲生活を始めてしばらく経ったころ、私はA男に対してモヤモヤを感じ始めました。急に金使いが荒くなり、ハイブランドの洋服を買い漁るように。
そこで実家に帰省した際、家族にA男の話をしてみたところ、母から「もしかして、浮気をしているとか…？」と質問されました。続けて「不安があるなら、結婚前に調べてハッキリさせておいたほうがいい。シロならそれで万々歳だし」と言われ、私は探偵に調査を依頼することにしました。
A男から信じられない発言が！
探偵に依頼した調査結果を待っていたある日、A男が信じられないことを言い出しました。
「実は、社長令嬢と婚約したんだ。俺たち別に婚約していたわけじゃないしさ、お前とは別れるでいいよな？」
私は怒りと悲しみとで言葉を失い、呆然としながら寝室へ。その日の夜はまったく眠れませんでした。翌朝、まさにぴったりのタイミングで探偵から調査結果が届いていたため、眠い目を擦りながら開けてみると……。そこにはA男が他の女性とホテルへ行っている写真など、浮気の証拠が並んでいました。覚悟はしていたものの、やはりショックでした。
さらに驚いたのは、A男の婚約相手が社長令嬢ではなく、ただの詐欺師だったという事実です。どうやらA男はだまされているよう。ただ、わざわざ教えてあげる義理もないと思い、私は「お幸せに」とだけ告げてその日に家を出たのでした。
数年後、A男の隣には！？
それから数年が過ぎ、私はとある駅ビルで偶然A男と再会。私の姿を見るなり彼はニヤニヤとしながら近づいてきました。
「いやぁ実はさぁ、社長令嬢は詐欺師だったんだよ。一時は借金まみれになって困ったけど、今はいい人を見つけて…」
そのときです。私の幼なじみのB子がA男の元に駆け寄ってきました。そして彼女は私に気がつき、A男を紹介してきたのです。
「久しぶり！ こちらは…私の婚約者のA男。ついこの間プロポーズされて結婚することになったの」
B子の父親は資産家であり、A男が自分の借金を肩代わりさせるために彼女に近づいたことは明白でした。なお、A男は私とB子が知り合いだということを知りませんでしたし、B子は私とA男が元恋人だということを知りませんでした。
B子にA男のすべてを暴露
そこで私はB子に、A男について色々と質問。私たちのやり取りを見て、「お前ら知り合いだったのかよ…」とA男の顔は青ざめています。
B子によると、A男は親の介護でお金が必要だそうで、自分が一緒に返済することを約束したよう。心やさしい彼女は、A男の嘘を完全に信じてしまっていました。
私は呆れてA男に言いました。
「この子の純粋さにつけ込んで借金を肩代わりさせる気？ その借金は、結婚詐欺師にだまされて作ったものでしょ！」
そして、B子にA男の過去を洗いざらい暴露。その後、B子は婚約解消したようです。
その後の私たちは…
A男とB子の事件から1年ほどが経ち、シングルライフを満喫していた私のところにB子から連絡がありました。彼女は、ずっと夢に見ていたキッチンカーを始めたとのこと。
「あなたのおかげで、あんなダメ男と結婚しなくて済んだよ。それからは仕事に邁進して、夢だったキッチンカーをやることにした！」
私は、彼女に「結婚する前でよかった！」と伝え、今度キッチンカーへ行くことを約束しました。A男に振り回された私たちですが、今ではあの経験を糧に、それぞれの新しい道で前を向いて生きています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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