母の観察力に助けられた
しかし、後日母と出かけた日の夕方、「すぐ病院行った方がいいわよ」と連絡がきて、驚きました。少し疲れが溜まっているだけだと思っていましたが、母は「顔色が悪い。もしかしたら鉄分不足じゃないの?」と言います。
自分では気づかないうちに、顔色が少し青白くなっていたようです。普段は健康状態をあまり気にしていなかった私にとって、食生活や疲れのせいでここまで体調が悪化しているとは思いもよりませんでした。
母の指摘を受けて病院を受診したところ、重度の鉄欠乏性貧血と診断され、すぐに治療を開始することになりました。母の言葉がなければ症状を見逃し、さらに体調を悪化させていたかもしれません。母の経験と観察力に感謝し、体調の変化に敏感になることの大切さを実感しました。
普段は忙しさや疲れで体調の変化に鈍感になりがちですが、母の観察力と経験のおかげで早期発見ができました。この経験を通じて、小さな変化に気づくことの重要性と、周囲のアドバイスに耳を傾けることの大切さを改めて感じました。体調管理への意識が大きく変わった出来事となりました。
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お母様が体調の変化に気づいてくれて、悪化する前に治療を開始できたとのこと、本当によかったです。
鉄欠乏性貧血とは、体に必要な鉄分が不足してしまい、血液中の赤血球がうまく作れなくなることで起こる病気です。赤血球は酸素を全身に運ぶ役割を持っていますが、鉄が足りないとその働きが十分にできなくなり、体が酸素不足の状態になってしまいます。その結果、疲れやすくなったり、だるさを感じたりといった症状が出てきます。特に女性や成長期の子ども、妊娠中の方は鉄分が不足しやすいので注意が必要です。
鉄分が不足する原因の一つとして、食事の中で鉄分が足りていない場合が考えられます。お肉や魚、ほうれん草などには鉄分が多く含まれていますが、それらをあまり食べていないと、鉄分不足になる可能性が。また、女性の場合は月経による出血や、妊娠中に赤ちゃんのために多くの鉄分が必要になることから、鉄分が不足しやすくなります。
鉄欠乏性貧血の症状は、最初のうちは気づきにくいこともありますが、いくつかのサインがあります。どれだけ休んでも疲れが取れず、全身がだるいと感じる、顔色が青白くなり、唇や爪の色が薄くなる、少し動いただけで息切れや動悸がおこるなどの症状が特徴的です。さらに、めまいや頭痛が増えたり、爪が割れやすくなったり、抜け毛が増えたりする、集中力が続かない、ぼんやりしてしまうといったことも、鉄欠乏性貧血の症状として見られる場合があります。
この病気は、適切な治療を受ければ改善することができるので、まずは、鉄分を多く含む食品を積極的に取り入れてみてください。たとえば、レバーや赤身のお肉、魚介類、ほうれん草、大豆製品など、鉄分を多く含む食材を意識的に食べるようにするとよいでしょう。また、オレンジやピーマンなどのビタミンCを含む食材を一緒に摂ると、鉄分の吸収がよくなります。偏った食事や無理なダイエットは避け、バランスの良い食事を心がけてくださいね。
病院で診断を受けた場合は、医師から鉄剤が処方されることもあります。鉄剤は体内の鉄分を効率よく補うことができるので、医師の指示に従ってきちんと飲むことが大切です。
鉄欠乏性貧血は、放っておくとどんどん症状が進み、日常生活に支障をきたすことも。普段忙しかったり、自分の体調をあまり気にしない方ほど、体の小さな変化に気づくのは難しいかもしれませんが、少しでも疲れが取れないと感じたり周りの人が気づいたことを指摘してくれたら、ぜひその声に耳を傾けて、早めに医療機関を受診してくださいね。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:河本 リコ/40代女性・会社員
14歳の息子を育てる母。趣味はドラマ鑑賞、アンティークショップ巡り。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)