自然消滅は記憶違い?
私はあのとき、確かに別れを告げました。しかし、連絡をしてきた彼の言い分は「俺はあのとき返事をしていないだろ? 勝手に終わらせるなよ」というものでした。あのやりとりからすでに数カ月が経っていましたし、連絡を返してくれなかったのは彼です。私は「自然消滅のようなものかな」と思っていたのですが、彼はそうは思っていなかったようで……。
彼からは何事もなかったかのように「おはよう」「今日はどこ行くの?」と、まるで交際中のようなメッセージが届くようになりました。
彼の行動にゾッとして、私は彼からのメッセージに既読をつけつつも返事はせず、様子を見ることにしました。
開き直りの連絡攻撃
すると、「今日は忙しいの?」「返事が遅いと心配だよ」と、彼からのメッセージは減るどころか日に日に増えていきました。まるで私とのつながりを無理やり保とうとしているかのようにも見えました。
そんなある日、「今日のお昼、何食べた? 俺、カレー作ったんだけど結構うまくできたから写真送るね!」と、写真が送られてきました。正直、彼の考えはまったく理解できませんでしたが、カレーの写真が届いたことには思わず少し笑ってしまいました。
しかし、そんな呑気な気持ちでいられたのは、このときまででした。
別れたくても別れられない
翌週から私の仕事が忙しく、以前のようなペースで既読をつけられない日が続くと、彼は「え? もしかして男といるの?」と疑うようになりました。そもそも私の中で彼はもう恋人ではなく、一方的に連絡をされている状況。ただ、このときもう一度、彼にしっかり自分の思いを伝えなくてはわかってくれないだろうと感じました。
そして私がメッセージで、「別れていると思っている」と告げ、距離を取ろうとすると、彼は「俺はまだ好きだよ。なんで? 別れないよ?」と、関係を終わらせようとしてくれなくて……。気づけば、もはや会話は成立せず、抜け出せない地獄絵図と化していました。
結局、最終的には電話で彼に「もう好きではありません」とはっきり伝え、連絡先をブロックするかたちで私から本当に終止符を打ちました。今思えば、ほかに方法はなかったのだろうかと少し考えてしまいます。恋愛は2人で築くものですが、終わりもまた2人の合意がなければ成立しない、そんな恋愛の難しさを学ぶ出来事となりました。
著者:榊原愛七/30代女性・1児の母。看護師・カウンセラー兼、恋愛エピソードを執筆するライター。
イラスト:ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
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