娘のイヤイヤ期に疲弊
月に15万円……マサトに逆らうのが怖くて、パートを始めるために私はまず、アミの保育園探しを始めました。
でも、2歳を過ぎたアミはイヤイヤ期の真っ只中。家事と育児、それと在宅の仕事。今のこの状況だけでも私は毎日ヘトヘトで……。















「おいマミ、何食わしてんだよ、それ」
冷凍のキャラごはんを食べるアミちゃんを見て、マサトさんは顔をしかめました。
せっかく作ったハンバーグを拒否され、困り果てた末に出した冷凍食品。アミちゃんが笑顔で食べてくれたことに安堵していたマミさんでしたが、マサトさんはそれを「手抜き」だと決めつけます。
「母親ならな、子どもが食べるもんは栄養を考えて全部手作りすんだよ。当たり前だろ」
「でも、食べてくれないよりは……」
必死に伝えるマミさんの言葉を遮り、マサトさんはさらに追い打ちをかけます。
「だからお前はダメなんだよ。お前がラクをすると、アミもわがままになる。いい加減、ちゃんとした母親になれよ!」
その怒鳴り声に、マミさんの脳裏に「お前は半人前以下だ」というマサトさんに浴びせられた言葉がフラッシュバックします。
「食べてほしい」というアミちゃんへの愛情さえも、マサトさんの理想の母親像によって「手抜き」「ダメな母親」と否定されてしまいました。
その理不尽な怒りに、ただうつむくことしかできないマミさんなのでした。
◇ ◇ ◇
イヤイヤ期の子どもにごはんを食べさせることがどれだけ大変か。食べてくれるなら何でもいい、とすがるような気持ちで食事に向き合っているママも多いはずです。そんな背景を一切想像せず、「冷凍食品=手抜き」という自分の価値観だけでマミさんを断罪し、「ちゃんとした母親になれ」と追い詰めるマサトさんの姿には、憤りを覚えます。
育児に絶対の正解はなく、ときには手を抜くことも、笑顔でいるためには必要なスキルではないでしょうか。もしパートナーが、理想の母親像を一方的に押し付け、こちらの事情や子どもへの愛情を一切汲み取らずに否定ばかりしてくるときは、「私がダメだから」と真に受けて自分を追い込むのではなく、「この人は私の苦労を理解しようとしない人だ」と冷静に線を引き、自分の心を守ることを最優先に考えたいですね。
つらいときは、つらい気持ちを言葉にするだけで心が軽くなることもあります。遠慮せずに周囲に助けを求めてください。誰かに話すことで気持ちが整理され、解決の糸口が見つかるかもしれません。相談窓口をいくつかご紹介します。
※よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
ガイダンスで専門的な対応も選べます(外国語含む)
0120-279-338 つなぐ ささえる(フリーダイヤル・無料)
岩手県・宮城県・福島県から 0120-279-226 つなぐ つつむ(フリーダイヤル・無料)
※こころの健康相談統一ダイヤル
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
0570-064-556 ※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
※DV相談ナビ
全国共通の電話番号(#8008)に電話をすると、お近くの都道府県配偶者暴力相談支援センターにつながります。
#8008(はれれば)※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
ゆる山まげよさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
ゆる山まげよ