押しつけられる夫の「教育方針」
「ママみたいになるな」「ママは普通じゃない。アミはちゃんとしろ」「ママはダメ。アミまでダメになるな」
マサトがアミに注意するとき、私は必ず引き合いに出されて、そのたびに否定されています。アミへの注意のフリをした、私への罵倒はこの日も……。
















「また泣かせてんのか。で、シャワーってどういうこと?」
お風呂を嫌がって泣き叫ぶ、イヤイヤ期真っ只中のアミちゃん。仕事も家事もワンオペでこなし、ボロボロの状態だったマミさんは、「シャワーだけでも」と、なんとかアミちゃんのお風呂を済ませました。
しかし、マサトさんは「風邪を引いたらどうする気だ? そんなことも考えられないのか?」と、それすらも許しません。
「ごめん、アミが嫌がって、私も疲れてて……」
弁解するマミさんを、マサトさんは冷たく突き放します。
「お前はダメな母親なんだよ。俺の教育方針に逆らうなって言ったよな? なんで泣いたからって親が子どもに折れんだよ! 母親ならどんなに疲れてても、育児の手を抜かないのが普通なんだよ!」
マミさんの疲労や事情などお構いなしに、「言い訳するな」と責め立てるマサトさん。
「お前が中途半端でダメな母親だから、アミがわがままになるんだ!」
濡れた髪が頬に張り付いたまま、「私の大変さも、娘への想いも、何ひとつ届かない」と、絶望の淵に立たされるマミさんなのでした。
◇ ◇ ◇
ワンオペで仕事も家事もこなし、アミちゃんのために必死に頑張っているマミさんに対し、「母親なら疲れていても手を抜くな」と言い放つマサトさん。自分は何も手伝わず、口だけ出して理想を押し付ける。パートナーとしてあるまじき態度ですね。マサトさんは「教育方針」という言葉を使っていますが、結局は自分の思い通りにならないことが許せないだけではないでしょうか。
育児に休みはありません。ワンオペならなおさらです。常に子どもと向き合い続け、疲弊する毎日を過ごす中、「母親なんだから」という言葉に、苦しんだ経験のあるママも多いのではないでしょうか。パートナーと苦しみを共有できないときや、理不尽に責められてしまったときは、物理的に距離を取るなど、自分の心を守るための行動に出る勇気を持っておきたいですね。
すべてをひとりで抱え込もうとするのではなく、まずは誰かに話してみましょう。専門機関に相談することもできます。誰かに話すだけで気持ちがラクになることもあります。相談窓口をいくつかご紹介します。
※よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
ガイダンスで専門的な対応も選べます(外国語含む)
0120-279-338 つなぐ ささえる(フリーダイヤル・無料)
岩手県・宮城県・福島県から 0120-279-226 つなぐ つつむ(フリーダイヤル・無料)
※こころの健康相談統一ダイヤル
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
0570-064-556 ※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
※DV相談ナビ
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#8008(はれれば)※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
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ゆる山まげよ