「プロポーズされたの」
私には、小さいころからの幼なじみがいます。彼女は昔から、欲しいものがあると感情を前面に出し、周囲が折れるまで騒ぐタイプでした。それが他人のものであっても、お構いなしだった記憶があります。
そんな彼女から、ある日突然連絡が届きました。「聞いて、プロポーズされたの」と。相手の名前を聞いて、私は一瞬言葉を失いました。というのも、このとき私が交際していた男性と同じ名前だったからです。「私の彼氏と同じ名前であること」を彼女に伝えると、彼女は、私の彼を奪ったことをあっさり認めました。
私と彼は、このとき交際して5年ほどの関係でした。彼とは将来についての意見が合わず、距離を置いていた状態。ただ、「お互いに将来のことを考えよう」と距離を置いていただけで正式に別れたわけではありませんでした。
その状態で、幼なじみと彼氏は関係を持ったようでした。彼女曰く、彼の実家が裕福だと知り、うらやましくなって彼にアプローチしたとのこと。欲しいものは手に入れてきた、と当然のように語る彼女の姿に、怒りよりも呆れが勝ってしまいました。
彼曰く「おしとやかでいじらしい彼女」
事実を確かめるため、私は彼にも連絡しました。すると彼は、すでに幼なじみとの結婚を決めた様子で、謝罪の言葉は一切ありませんでした。むしろ、私のほうが悪いという態度で、幼なじみのことを「控えめで家庭的な女の子」だと評価していました。
その言葉を聞いたとき、私の中で彼への思いがはっきり切れました。長く一緒にいた身からして、幼なじみは「控えめで家庭的な子」ではありません。ただ彼は、幼なじみに夢中になっている様子。相手の本質を知ろうとせず、本能のままに女性と関係を持つ彼に、私は一気に幻滅してしまいました。
そしてこれ以上関わる意味はないと思い、短く別れを告げ、彼との関係を終わらせました。長い付き合いでしたが、不思議と後悔はありませんでした。
入籍した彼女に真実を告げる
それから1カ月ほど経ったころ、幼なじみから入籍したという報告が届きました。彼の実家で同居生活を始めるとも書かれており、いかにも幸せそうな内容でした。
そのタイミングで、私は彼女にひとつだけ事実を伝えました。彼の家族は資産はあるものの、非常に倹約志向が強く、生活は決して派手ではないということを。実際の彼はかなりの倹約家。幼なじみに見せていたであろう彼の華やかな暮らしは、背伸びした演出に近いものだったのでしょう。
私自身も、将来を考えるとお金はあったほうがいいと思っていたため、彼とはその点で価値観が合い、5年も交際していました。ただ、ちょうど5年交際したタイミングで彼が「お前の稼ぎも全部俺に管理させろ」と言い出し、一度距離を置こうということになったのです。
略奪女の末路
その後、幼なじみは倹約を重視する生活に耐えきれなかったようです。結婚後しばらくして、彼や家族との関係は悪化し、最終的には離婚に至ったと人づてに聞きました。
一方の私は、過去を引きずることなく生活を立て直し、新しい出会いにも恵まれました。今は価値観を大切にし合える相手と、穏やかな関係を築いています。誰かに奪われたのではなく、自分から手放した――そう思える今、あの出来事は私にとって必要な区切りだったのだと感じています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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