保険の見直しをきっかけに…
私は保険を見直すため、マサトと一緒に保険窓口を訪れました。
ある日、マサトが車で事故を起こしてしまったのです。連絡を受けた私は、マサトの身を心配しましたが、マサトが心配していたのは保険のことで……。
























「先日、ご主人が事故に遭われたとのことで……」
保険の見直しのため訪れた窓口で、担当プランナーが資料を広げながら言いました。
事故に遭ったマサトさんは無傷でしたが、もし自分が事故を起こしていたら、どれほど罵倒されたことか……。マミさんは「私じゃなくてよかった」と心底ホッとしていました。
「では、お子様の手当などは……児童手当は貯金されていますか?」
最適なプランを提案するため、家計の流れを確認する担当プランナー。
この質問に対し、マミさんが心の中で「そういえば児童手当って……」と不安に思っていると、マサトさんはカウンターに身を乗り出し、「俺の口座に。世帯主なんで」と食い気味に答えます。
その姿を見て、ハッとしたマミさん。実は、マサトさんの通帳を一度も見たことがなかったのです。
マミさんが児童手当について確認しようと、マサトさんに声をかけると、面倒くさそうに「黙ってろ。家で話せ」と冷たく突き放されてしまいました。
「お前はバカだから金は俺が管理する」と宣言された結婚してすぐのころを思い返すマミさん。
「まさか、アミのお金……」帰りの車内で、今までマサトさんに感じていた「恐怖」とは違う、「疑惑」が生まれたマミさんなのでした。
◇ ◇ ◇
「毎月渡す生活費でやりくりしろ」と、経済的にもマミさんを締め付け、支配してきたマサトさん。児童手当という大切なお金の行方について聞かれそうになったとき、「黙ってろ」と圧力をかける姿は、あまりにも不穏でしたね。
パートナーが家計を不透明にし、通帳も見せてくれないような状況であれば、それは経済的DVの可能性があります。ましてや子どものためのお金が不透明な状態は、将来にも関わる重大な問題です。少しでも違和感を覚えたら、勇気を出して確認したり、証拠を集めたりするなど、事実を確かめる行動を起こしたいですね。
身体的、精神的以外にも、経済的に相手を苦しめることも、DVになります。どんな状況であっても、一方的に苦しめられていい理由にはなりません。パートナーと話し合えない場合や、相談できる人が思い当たらない場合は、専門機関に相談してみてください。相談窓口をいくつかご紹介します。
※よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
ガイダンスで専門的な対応も選べます(外国語含む)
0120-279-338 つなぐ ささえる(フリーダイヤル・無料)
岩手県・宮城県・福島県から 0120-279-226 つなぐ つつむ(フリーダイヤル・無料)
※こころの健康相談統一ダイヤル
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
0570-064-556 ※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
※DV相談ナビ
全国共通の電話番号(#8008)に電話をすると、お近くの都道府県配偶者暴力相談支援センターにつながります。
#8008(はれれば)※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
ゆる山まげよさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
ゆる山まげよ