違和感の正体
帰り道の車内で、私はマサトに通帳を見せてほしいと言いました。するとマサトは、「運転中だから話しかけるな」話を逸らしたのです。
せめてアミのお金のことだけでもと思い、私は意を決して、児童手当の貯金額を聞いたのですが……。
























「そんな金、ない」
保険代理店からの帰り道、食い下がるマミさんに、マサトさんは悪びれもせず言いました。マサトさんの口座に振り込まれている児童手当は、もうないと言うのです。
「カードの引き落とし口座にしてたからな。いつの間にか生活費で消えてたわ」
生活費は毎月渡されたお金の中でやりくりしていたのに……動揺するマミさんに、マサトさんは追い打ちをかけます。
「大体お前のやりくりが下手だから、俺のカードから補填する羽目になったんだろ? お前のせいだ」
帰宅後、入浴中のマサトさんのカバンから、くしゃくしゃになったカード明細を見つけたマミさん。そして明細の利用履歴の中に「ラウンジ・アゲハ」「クラブ・ミスティ」などの店名と、数万円単位の金額を見つけます。
マミさんがその店名を調べると、検索結果に出てきたのは、キャバクラや風俗の文字。
「私は5円安いもやしを買うためにスーパーを何件も回っているのに……マサトは、アミのお金で、夜のお店で遊んでたの?」と、絶望するマミさん。
マミさんがアミちゃんの児童手当の使い道を知ったとも知らず、お風呂から出てきたマサトさんは、横柄な態度で「夕飯まだかよ?」と。
そんなマサトさんのほうを振り向き、涙を流しながら怒りや悔しさを滲ませるマミさんなのでした。
◇ ◇ ◇
節約のために数円単位で切り詰めて生活しているマミさんを尻目に、アミちゃんのための児童手当を使い込み、あろうことか夜のお店で散財していたマサトさん。「お前のやりくりが下手だからだ」と責任転嫁する姿には、怒りを通り越してあきれ果ててしまいますね。
経済的な締め付けと人格否定で妻を支配し、自分は好き勝手に振る舞う。これは立派なDVです。もしパートナーのお金の使い方に不信感を抱いたり、理不尽な責任転嫁をされたりしたときは、自分を責めるのをやめ、証拠を集めるなどして、自分と子どもの未来を守るための準備を始めたいですね。
ひとりで抱え込んで解決しようとするのではなく、まずは周囲に助けを求めましょう。頼れる人が思い当たらない場合は、専門機関に相談することも大きな第一歩です。誰かに相談することで、解決の糸口が見つかるかもしれません。相談窓口をいくつかご紹介しますね。
※よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
ガイダンスで専門的な対応も選べます(外国語含む)
0120-279-338 つなぐ ささえる(フリーダイヤル・無料)
岩手県・宮城県・福島県から 0120-279-226 つなぐ つつむ(フリーダイヤル・無料)
※こころの健康相談統一ダイヤル
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
0570-064-556 ※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
※DV相談ナビ
全国共通の電話番号(#8008)に電話をすると、お近くの都道府県配偶者暴力相談支援センターにつながります。
#8008(はれれば)※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
ゆる山まげよさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
ゆる山まげよ