突然届いた衝撃のLINE
その日の午後、子どもたちの習い事の送迎を終えてほっとしていた時、夫からLINEが届きました。画面を開いた瞬間……そこには目を疑うような文字が!
「破産の連絡が来た」
「子どもたちには内緒で頼む」
え……破産?何が起きたの……?心臓がバクバクと音を立て始めました。まさか夫の会社が倒産?
震える指で「どういうこと!?」と必死に返信すると、すぐに既読がつきましたが、夫からの返信は予想外のものでした。
「今はバタバタして。家に帰ったら詳しく話す」
今は詳しく説明できないほどバタバタしているの?不安はますます膨らんでいきました。
その後も何度かLINEを送りましたが、夫からの返信はなし。子どもたちには笑顔を作りましたが、内心は不安で押し潰されそうでした。破産なんて……これからどうなるの……?
帰宅した夫から聞いた真相
夫が帰宅すると、私は駆け寄りました。
「ねえ、どういうこと!?破産って……」
夫はきょとんとした表情で「え、ええ?あれ……?」と首を傾げ、慌てて自分のLINEを確認しました。
「実はさ……クリスマスプレゼントに頼んでたおもちゃが事故で壊れたとかで、宅配業者から破損連絡が来たんだ。“破損”って打ったつもりだったんだけど……え、『破産』って送ってた?今気づいた……」
「『子どもたちには内緒で』ってのは、プレゼントのことを知られたくなくて」
は……?破損……?
一瞬、時が止まったような感覚になりました。そして張り詰めていた緊張の糸が一気に切れて、へなへなと床に座り込みました。
「破産じゃなくて……破損……」
あの数時間、どれだけ不安だったか……。でも、夫の困った顔を見ていたら、なぜか笑えてきてしまいました。
「もう……本当にびっくりしたんだから!」
夫も笑いながら「確認しないで送っちゃったから、まさか“破産”になってるとは思わなかった」と言いました。結局、破損したおもちゃはすぐに交換品を手配してもらえ、無事にクリスマスプレゼントとして子どもたちに渡すことができました。
今ではこの出来事は、わが家の笑い話になりましたが、「破損」と「破産」、たった一文字違いで意味が全く変わってしまう……。LINEでの打ち間違いが思わぬ誤解を生むこともあると身をもって学びました。
クリスマス当日、子どもたちは大喜びでプレゼントを開けていました。あの騒動を知らない子どもたちの笑顔を見ながら、私と夫は顔を見合わせて小さく笑いました。温かい気持ちで過ごせたクリスマス、忘れられない思い出になりました。
※本記事は、編集部メンバーの知人が体験した実話です。編集部がヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。