ある夜、幸せな日常を壊す事件が起きます。マミは、自宅の前に停まった車の中で、夫が見知らぬ女性と抱き合っている姿を目撃してしまったのです。暗闇の中で唯一見えたのは、その女性の肩にかかった鮮やかな「赤いスカーフ」でした。
後日、夫は「同僚の家で飲むから泊まる」と言い出します。マミさんは真実を突き止めるため、あえて「車で送る」と提案しました。夫は疑われているとも知らず、喜んでマミの運転する車で不倫相手のアパートへと向かいます。アパートに現れたのは、あの日と同じ赤いスカーフを羽織った女でした。
夫は女を「いつも良くしてくれる同僚の奥さんのモモちゃん」だと紹介し、モモもまた「うちの主人がお世話になっています」と挨拶をしてきました。しかし、そこは見るからに一人暮らし用のアパートで、モモの指に結婚指輪はありません。家に家族がいるなら電気がついているはずですが、真っ暗。2人の嘘は、マミの目にはあまりにも明白でした。
何よりマミの逆鱗に触れたのは、車内にいる愛息・ヨウスケくんの前で、2人が平然と不実な裏切りを演じて見せたこと。
「ただ泳がせるだけでは気が済まない。この2人をメチャクチャにしてやりたい」
静かに復讐を誓ったマミ。帰宅後、さっそくさっそくインターネットで何をすべきかと調べ始めたのですが――!?
どうやって2人を地獄に落とすか考えた結果











浮気相手の顔を思い浮かべ、憎悪で苦しむマミ。「絶対に許さない」と誓う一方、自分自身、どうしたらいいのか、何をすべきかわからず悩んでしまいます。そんなマミの視線の先にいたのは、1歳の息子・ヨウスケでした。
ヨウスケを寝かしつけた後、マミは覚悟を決めてパソコンに向かいます。検索窓に打ち込んだのは「離婚 証拠 慰謝料」という切実なワードたち。
そこで知ったのは、証拠がなければ慰謝料請求すら難しく、泣き寝入りするケースも多いという厳しい現実。「離婚するだけでなく、2人を徹底的にメチャクチャにしたい」――マミの復讐心はより一層強固なものになります。
翌日、モモに送ってもらって帰宅した夫にそれとなく夫を探ると、モモはまだ24歳という若さであることが判明。そんな話をしているうち、マミはふと、1つの作戦を思いつきました。
「お礼に、今度はモモさんご夫婦をうちに招待して焼肉でもどう?」
独身のはずのモモを「夫婦」として招待すれば、夫は動揺するはず……。そう踏んでいたマミでしたが、夫は意外にも「いいね!」と快諾。夫の不気味なまでの余裕に、マミはさらなる疑問と混乱を抱くことになります。
モモは本当に独身なのか? なぜ夫は平然としているのか? 疑惑が渦巻く中、マミは家に招く準備をすることに決めたのでした。
◇ ◇ ◇
動揺しない夫に疑問を抱きつつも、一つずつ状況を整理していくマミさん。何かに大きな問題に悩んだとき、感情が揺さぶられて冷静な判断ができなくなってしまうこともありますよね。マミさんのように、情報を並べたりして整理し、客観的になってみるという方法は、困難に立ち向かうための一番の近道なのかもしれませんね。
どんなに困難な時ほど、一度立ち止まって冷静になることを、私たちも心がけていきたいですね。
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きりぷち