保育士さんに、夢子の足の長さが左右で違うことを指摘され、母は翌日、急いで夢子を連れて受診したものの、何軒病院をまわっても、原因は判明しませんでした。わかったことは「骨に異常がある」ということだけ…。
そこで母は、自宅からは遠い、県庁所在地にある大きな病院に夢子を連れていきたいと思い、夫に相談をしました。夫は「何軒も回って異常はないと言われているんなら、それでいいだろ」と大反対。しかし、母も食い下がり「これで最後にするから!お願い!設備の整った病院で診てもらいたいのよ!」といい、父は「勝手にしろ。行くなら下道で行けよ。高速は使うなよ」としぶしぶOKを出したのです。
そうして母は、70kmも離れたところにある大きな病院へ夢子を連れていくことになったのですが、その様子をうらめしく見ていたのは姉・愛子。母が夢子のことで必死になればなるほど、「夢子だけズルい」と不満を募らせたのです。
ついに夢子の足の長さが違う原因が判明












母が連れて行ってくれた病院での問診や検査を終えた夢子たち。呼ばれて行ってみると、最初の問診とは別の医師が「初めまして、腫瘍内科専門の石川です」と名乗りました。母は、これまでに行った病院では原因がわからなかったこと、そして小さな子を連れ回してかわいそうと言われたことなどを吐露しながら「娘の足の異常の原因はわかったんでしょうか?」と聞きました。
すると医師は「それでもあきらめず、この病院を受診してくれてよかった」と言い、続けて「娘さんの病気は腫瘍です」と言ったのです。加えて、夢子たちの住んでいる地域は医療格差が深刻な地域であるとも言い、「夢子ちゃんの病気の正式名称はオリエール病と言って、治療をせずに放っておくと、歩行が困難になるケースもあります」と言いました。
母が腫瘍と言われたことに驚いていると、医師はオリエール病は良性腫瘍であることがほとんどということ、そして夢子の腫瘍も見たところ悪性ではなさそうと伝えました。そして、治療方針を決めたいので、次は夫も一緒に来院してほしいと告げたのです。
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夢子の足の異常の原因がようやく判明し、一歩前進ですね。治療をせずに放っておくと歩行困難になるケースもある病気とのことで、夢子の母があきらめずに原因がわかるまで病院を受診し続けてくれて、本当によかったと思います。
オリエール病という病気は、多発性内軟骨腫症とも言い、成長盤の軟骨細胞に腫瘍ができるという、たいへん稀な病気です。身長が伸びるためには、骨の末端近くにある成長板の軟骨が増えて、骨が長くなる必要があるのですが、この成長盤の軟骨に腫瘍ができると、正常な成長が阻害されてしまいます。オリエール病は、この現象が片側半身のみにおきるのが特徴であるため、左右で足の長さが違うということが起きるのです。痛みが出る、骨がもろくなって骨折しやすいなどで歩行に問題が出ることもあり、治療には複数回の手術が必要です。足の長さが違うなど、異変に気づいたら、早めに受診をしましょう。
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つきママ