保育士さんに、夢子の足の長さが左右で違うことを指摘され、母は翌日、急いで夢子を連れて受診したものの、何軒病院をまわっても、原因は判明しませんでした。わかったことは「骨に異常がある」ということだけ…。
そこで母は、父に大反対されながらも、自宅からは遠い、県庁所在地にある大きな病院に夢子を連れていくことに。検査を終えて待っていると、夢子たちの前に現れたのは最初の問診とは別の医師。
医師は「あきらめずに、この病院を受診してくれてよかった。娘さんの病気は腫瘍です」と言いました。加えて、夢子たちの住んでいる地域は医療格差が深刻な地域であること、「夢子ちゃんの病気の正式名称はオリエール病と言って、治療をせずに放っておくと、歩行が困難になるケースもあります」と言いました。
腫瘍と言葉に母が驚いていると、医師はオリエール病は良性腫瘍であることがほとんどということ、そして夢子の腫瘍も見たところ悪性ではなさそうと伝えました。そして、治療方針を決めたいので、次は夫も一緒に来院してほしいと告げたのです。
夢子の病気を夫に報告すると…











自宅に帰り、夢子の病気が腫瘍によるものだったことを父に報告すると「夢子、病気だったのか!?」と驚いた様子。さすがの父も、次の診察日には有休を取って、一緒に病院へ行ってくれることになりました。もちろん、今度も長女・愛子は祖母宅へ預けられます。
次の診察日、父・母・夢子で病院へ向かい、病気の説明を受けたあと、医師は「腫瘍をそのままにして経過観察をするか、治療をして腫瘍を取り除くか、ご両親に選択してほしい」といいます。父が「私たちは専門家ではないので判断できない。先生はどうお考えですか?すべて一任します」と言うと、医師は少し考えたあと「3才の夢子ちゃんには手術は酷。左右の足の差が5㎝になったら治療を始めましょう」と言い、しばらくは経過観察をしていくことになったのです。
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夢子の病気が判明し、大きな病院を受診することに反対していた父も、さすがに驚いたようですね。あのとき、母があきらめずに父を説得し、大きな病院を受診してくれて、本当によかったと思います。
ただ、長女・愛子は、病気の夢子を優先する両親を見て、あまりいい気はしていないようです。まだ保育園児である長女・愛子にとっては、自分の日常生活と、一見元気そうに見える妹の病気の優先度愛はなかなかわからないでしょうし、ましてや、病の重篤さの違いも理解しがたいでしょう。長女・愛子が「夢子ばかり、両親にかまってもらってズルい」という考え方になるのは、致し方ないのかもしれません。両親は夢子のことで精いっぱいですが、こういうときには、きょうだいにもメンタルのケアが必要なのだなと、第三者になると感じます。
両親や、長女・愛子のいろいろな気持ちが渦巻く中、夢子はとりあえずすぐに手術するのではなく、経過観察をしていくことになりました。足の長さが違うという保育士さんの気づきから露わになった夢子の病気ですが、経過観察を経て、この先も治療は長く続くようです。夢子ちゃんには頑張ってほしいですね。
なお、オリエール病という病気は、多発性内軟骨腫症とも言い、成長盤の軟骨細胞に腫瘍ができるという、たいへん稀な病気です。身長が伸びるためには、骨の末端近くにある成長盤の軟骨が増えて、骨が長くなる必要があるのですが、この成長盤の軟骨に腫瘍ができると、正常な成長が阻害されてしまいます。オリエール病は、この現象が片側半身のみにおきるのが特徴であるため、左右で足の長さが違うということが起きるのです。痛みが出る、骨がもろくなって骨折しやすいなどで歩行に問題が出ることもあり、治療には複数回の手術が必要です。足の長さが違うなど、異変に気づいたら、早めに受診をしましょう。
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