

毎回、奢ってくれるパパ友
年に数回ある学校行事には、Aさんも積極的に参加されます。行事が終わると、自然な流れで保護者数名とランチやカフェへ行くことになるのですが、毎回Aさんは「ここは俺が払うわ」と言って、全員分を奢ってくれるのです。
私はそのたびに恐縮し、「こういう場ではいつも割り勘にしていますから、どうぞお気遣いなく」と伝えるのですが、Aさんは「いいから、いいから!」と聞き入れてくれず、そのまま支払いを済ませてしまいます。
Aさんの奥さんにそれとなく相談しても、「夫がそうしたいと言っているので、遠慮しなくて大丈夫よ」と笑顔で返されてしまうのでした。
「奢られっぱなし」に感じたモヤモヤの理由
さらに、学校主催のお祭りがあったときのこと。Aさんは開校記念のまんじゅうを大量に購入し、「みんなで食べて」と配り歩いていました。実は私も自分でまんじゅうを買うつもりでいたので、ありがたい反面、なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいに……。
同じ保護者という「対等な立場」でありながら、いつも一方的に奢ってもらう関係性に、私は次第に違和感を抱くようになりました。
そこで私は意を決し、Aさんに正直な気持ちを伝えることにしました。
「いつも奢っていただいてばかりだと申し訳なくて、次にお誘いしづらくなってしまいます。私はAさんとこれからも対等な関係でいたいので、ぜひ支払わせてください」
するとAさんは、「気を使わせてしまっていたんですね。申し訳ない」と快く受け入れてくれました。それ以来、集まりの際はきっちりと割り勘で支払うようになったのです。
保護者の中には、奢ってもらえることを素直に喜ぶ方もいるかもしれません。しかし、パパ友・ママ友というデリケートな間柄だからこそ、私は金銭的な貸し借りがないほうが心地よいと感じました。
Aさんの気前の良さが、周囲の人を惹きつけ、慕われる理由の一つであることは間違いありません。だからこそ、これからも末永く良いお付き合いを続けたいので、あのとき勇気を出して伝えて、本当によかったです。現在も、Aさん家族とは変わらず良好な関係が続いています。
著者:新谷けご/40代女性・主婦。2013年生まれの娘、2015年早生まれの息子と夫の4人暮らし。年子育児に振り回されっぱなしの毎日です。
作画:まっふ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)