介護を当然のように押し付ける夫
私が介護の資格を持っているからか、夫は義母の介護を私が担うのは当たり前だという態度でした。平日は「残業がある」と言って帰宅は遅く、土日も何かと理由をつけて外出することが多く、家にいる時間はほとんどありません。
私が負担について話そうとすると、「このマンションに賃貸で住めているのは誰のおかげだと思っているんだ」と声を荒らげることもありました。
義母自身は、毎日「ありがとうね」と感謝してくれており、嫁姑の関係は穏やかでしたが、夫の無関心さには次第に疲れを感じていました。
高熱の義母と、外出する夫
ある日、義母が突然高熱を出しました。私は付き添いながら様子を見ていましたが、夫はその朝、「仕事関係の付き合いがある」と言って早くから出かけてしまいました。
不安を抱えたまま、熱が下がらない義母を連れて病院へ向かい、救急外来で診てもらいました。しかし、その後、高齢だった義母は静かに息を引き取りました。
動揺しながらも、私は夫に連絡しました。
「お義母さんが、今亡くなりました……」
返ってきたのは、「帰ったら覚悟しておけ」という短い言葉だけでした。意味がわからず、最初は義母を失ったショックで感情的になっているのだろうと思っていました。
その日の夜、帰宅した夫は感情をあらわにし、「お前、何か知っていたんだろう」と私を問い詰めてきました。話を聞くうちに、私は義母が生前、自分の気持ちや今後について書き残していた書面があることを初めて知りました。
そこには、これまで私が介護を続けてきたことへの感謝に加え、私が今後困ることのないよう配慮してほしいという思いが言葉で綴られていたそうです。
専門家を交えた話し合いと静かな決着
その後、専門家にも相談しながら関係者で話し合いを重ね、義母が生前に示していた「感謝の気持ちや配慮」をできる限り尊重する形で、手続きが進められました。私自身、何かを求めていたわけではありませんが、これまでの日々を振り返りながら、義母の思いに向き合う時間となりました。
話し合いを重ねた末、私は夫とは別々の道を歩む選択をしました。実家に戻り、両親が安心して暮らせるよう、住まいの環境を整えることに。生活は決して派手ではありませんが、心は穏やかでした。
1カ月後、私は実家近くの介護施設で働き始めました。忙しい毎日の中で、介護していたころを思い出し、「あのとき、義母はどんな思いで過ごしていたのだろう」と、ふと振り返ることがあります。
それでも今は、誰かの暮らしを支える仕事に向き合いながら、前を向いて歩いています。
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見返りを求めず続けてきた介護の日々。その積み重ねが、思いがけない形で人生の転機となりましたね。誰かのために尽くした時間は、静かでも確かな誇りとして、自分の中に残り続けるのかもしれません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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