ワーママも専業主婦も、みんな同じ
「このたびは、本当に申し訳ありませんでした!」
カキエさんは、夫とともに深々と頭を下げ、これまでのことを謝罪しました。そして、「ずっと専業主婦でいることに劣等感を抱いていた」と打ち明け、家にいながら仕事をしているユズハさんが現れたことで、「自分の存在価値がないように思えて苦しかった」と、涙ながらに話してくれたのです。
「まずは謝ってくれてありがとうございます」
静かにカキエさんの話を聞いていたユズハさんは、そう言って話しはじめました。出会ったばかりなのに、自分だけを見下すような態度をとったカキエさんに対し「本当に気分が悪かった」「今までのことを謝罪ひとつで無かったことにするのは難しい」と、正直な気持ちを伝えます。
しかし、そのあとすぐに、「私たちのゴタゴタに子どもを巻き込みたくはないんです」と付け加え「今回は『特別に』私がひとつ大人になって、カキエさんのことを許してあげますね。」と、普段のユズハさんがしないような、偉そうな態度で笑顔を見せました
。
「え……?」
ユズハさんらしくない苛立たしい物言いに、カキエさんは戸惑い……。










「ほら、上から目線だとちょっとイラッとするでしょ?」
戸惑いを隠せないカキエさんに、ユズハさんは笑いながらそう言いました。カキエさんも、つられて苦笑いです。
その後すぐに、ユズハさんは真面目な表情で自分の考えを話し始めました。
「劣等感を抱くことは誰にだってありますよ。私は、専業主婦として家庭を守るのも立派なことだと思います」
「だから、そんなに自分を卑下しないでください。」
カキエさんは、驚いたような表情を浮かべながら、ユズハさんの話を聞いています。ユズハさんは、ワーママも専業主婦も、子どものために日々頑張っているのは同じなので、どちらが大変か、どちらが偉いかなんて、比べられないのだと伝え、最後に「カキエさんも、そう思いませんか?」と尋ねました。
その言葉に、カキエさんは「ありがとう……」と涙を流し、これをきっかけに娘・チエちゃんにとって自慢のママになってあげてほしいと言ったユズハさんに「ええ……!」と力強く応えたのでした。
◇ ◇ ◇
ユズハさんの言うとおり、ワーママも専業主婦も、日々子どものために頑張っているのは同じ。優劣なんてつけられないと思います。自分が専業主婦であることに劣等感を抱き続けていたカキエさんは、ユズハさんの言葉にとても救われたのではないでしょうか。いろいろと思うところはあったと思いますが、罪の償いとして何かを求めるのではなく、この件をきっかけに「娘さんが自慢に思えるママでいてください」と言えるユズハさんは、とても素敵な人ですね。
トラブルの解決方法はたくさんありますが、万が一自分が当事者になってしまったときは、ユズハさんとカキエさんのように自分の想いを正直に打ち明け、笑顔で和解できるとよいですよね。
しろみさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
しろみ