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「社長からプロポーズを受けたから!」結婚式の数カ月前に婚約破棄された僕⇒別れてから数カ月後…

僕は大学時代から付き合っていたAという女性と婚約関係であり、結婚式を挙げる予定でした。しかし、結婚式が迫ってきたある日、「結婚するのを辞める」と言われてしまい……?

婚約破棄で味わったどん底

僕はあるソフトウェア開発会社で働いていました。この会社には、中途採用で入社。実は、大学時代から交際しており、婚約者であったAがこの会社で働いていて、彼女のスカウトで入社したのです。

 

Aとは同じ会社で働けて、かつ結婚式の準備も進んでいて……。このときの僕は幸せな気持ちでいっぱいでした。

 

ところが式の1カ月前、Aは驚きの発言をしました。

 

「結婚するの、辞めたい」

 

彼女の発言にあ然としながら理由を聞くと……「取引先の社長から告白されたから」とのこと。「社長はお金もあって、地位もあって、あなたよりも安心感がある」と言われてしまいました。

 

僕は可もなく不可もない存在で、他に選択肢がなかったから付き合っていただけだと。

 

その瞬間、「Aにとって僕はその程度だったんだ…」と驚愕。Aに「お幸せに」と言うことしかできず、僕たちは婚約を解消。結婚式も当然キャンセルしました。

 

共通の趣味で再会した上司

数カ月後、僕はようやく立ち直りはじめて、久しぶりに好きなバンドのライブへ足を運びました。そんなとき、会場で声をかけてきたのは会社の上司。

 

彼女とは2年前、同じバンドのライブで偶然知り合いました。同じ音楽が好きで、ライブ会場で会えば何時間も話ができる、貴重な存在でした。そのとき、僕は転職する前で、このとき転職後、彼女が上司になるなんて思ってもいませんでした。

 

彼女が上司だと知ってからは、会社で今まで通り接することはできず、気まずい感じになっていました。

 

それでも久しぶりのライブ会場では、肩書きは関係ありませんでした。上司は、「今日は今まで通り、楽しもうよ」と言ってくれて……。 一緒に音楽を楽しみ、自然に笑える時間を過ごしました。

 

帰り道、上司は「最近元気がなかったように見えたから…今日は元気そうでよかった」と言ってくれました。上司のやさしさに心を動かされた僕は、「実はAに振られてしまって…」と伝えました。彼女は、僕がつらかったことを察してか、「あなたなら、大丈夫だよ。次があるよ」と励ましてくれました。

 

想いを伝え合った夜

後日、上司から「私の家でライブのDVDを観ないか」とのお誘いがありました。彼女の家に行くとのことで緊張していたのですが、貴重なライブDVDを見せてくれたということもあってか……思いのほか盛り上がりました。

 

上司は、「周りにこのバンドのファンがいなくて…一緒にDVDを見たり、語り合ったり、ライブに行くことが夢だった」と言ってくれました。

 

それから、「もうひとつ伝えたいことがある」と言って真剣な顔に。僕が上司の目を見ると、彼女は「実は、ずっとあなたのことが気になってて」と言ったのです。僕はまさかの言葉にビックリ。

 

どうやら、最初にライブ会場で会ったとき、押しつぶされそうな上司を庇ってずっと後ろに立っていた僕に、ずっと思いを寄せてくれていたよう。その後、再び会ったライブ会場で話しかけてくれたのでした。

 

しかし、すぐに僕に婚約者がいると知り、恋心をしまっておくことにしたそうです。僕が中途採用で入社してきたときは驚いたようですが、上司であるということに加えて、「婚約者がいる人とは距離を取らないと」と思ったとのこと。そのため、気まずい雰囲気にしてしまっていたと教えてくれました。

 

元婚約者の無茶なお願い

上司からの想いを聞いた僕は、「気持ちの整理がついていないから、すぐにお付き合いをすることはできないけれど…あなたと一緒にいると心が落ち着くから、よければこれからも出かけたりしてほしい」と伝えました。

 

上司は、「それでも、あなたの支えになれるなら構わない」と言ってくれて……。そんな彼女と一緒に日々を過ごすうちに、僕は彼女のやさしさに惹かれていきました。そして、僕から「お付き合いしてほしい」と伝えて、僕たちは恋人になりました。

 

そんなある日、会社の廊下で声をかけられました。振り向くと、そこにいたのは元婚約者のA。

 

彼女は憔悴しきった様子で話し始めました。Aによると、結婚した相手は実は、社長ながら貯金が一切なく、会社も傾いている状況だったとのこと。

 

なんと彼女は、「彼とはもう関係を終わらせてきたから、やり直して私と結婚して!」という無理を言ってきたのです。

 

正直、僕は呆れて言葉が出ませんでした。

 

キッパリ断られた元婚約者は…

僕は一度深呼吸してから、はっきり「無理だよ」と伝えました。Aはまさか断られるとは思っていなかったようで、目を丸くしていて……。

 

それでも、「どうせ相手なんていないんでしょ」と言う彼女に、僕が「いや…」と言いかけると、上司がやってきて僕の腕を掴みました。そして、「彼は私とお付き合いしているから、ごめんね?」とAに言ったのです。まさか上司と付き合っていると思わなかったのか、Aは「えっ…」と開いた口がふさがらない様子。僕も続けて、

 

「君は、僕を“可もなく不可もない”って言ったよね。その程度の相手と、戻りたいとは思わないんじゃない?」

 

と伝えました。上司も、「自分で選んだ道に責任を取りなさい。人の人生を都合よく使うのは間違っている」と言ってくれました。

 

僕たちの言葉にAは何も言えなくなったようで、黙って僕たちの前から離れていきました。その後、会社でAと取引先の会社の社長との関係が終わったこと、その後僕に声をかけてきたことが広まってしまいました。気まずいと思ったのか、Aは退職。今も婚活に励んでいるそうですが、良い相手はみつかっていないようです。

 

一方の僕たちは結婚。社員たちは「末永くお幸せに!」と祝福してくれました。新婚旅行は、僕たちを結び付けてくれたバンドの海外ツアーに行く予定です!

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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