宇宙に酸素はないのに、どうやって燃えている?

宇宙空間には酸素がほとんどありません。
それなのに、太陽はなぜ燃えているように見えるのでしょう?

① 太陽の中には酸素がたっぷりある
② 宇宙には見えない酸素が広がっている
③ 太陽は燃えているのではなく、別の仕組みで光っている
さて、どれが正解か、わかりますか?

正解は…

「③ 太陽は燃えているのではなく、別の仕組みで光っている」が正解でした!
少しひっかけ問題のようですが、私たちが普段見ている「火(燃焼)」と、太陽で起きている現象は、全く別物なのです。
なぜ酸素なしで燃えるの?
つい「太陽は巨大な火の玉」と思ってしまいますが、それは私たちが地球上の常識で考えてしまうからです。
実は「燃えていない」!?
地球上でモノが燃える現象は、物質が酸素と結びつく「化学反応(酸化)」です。 一方、太陽で起きているのは、酸素を必要としない「核反応」という現象。
つまり太陽は、焚き火のように燃えているのではなく、自らの重さでギュウギュウに押しつぶされた中心部で、とてつもないエネルギーを生み出しているのです。
キーワードは「核融合(かくゆうごう)」
ここが少し難しい話ですが、太陽の正体は巨大な「ガスの塊(主に水素)」です。
太陽の中心は、ものすごい重力と圧力で温度が約1500万度にもなります。 この極限状態で、水素の原子どうしがくっついて別の物質(ヘリウム)になります。これを核融合と言います。
整理すると、イメージはこんな違いです。
・地球上の火:酸素と結びつく化学反応で熱や光が出る
・太陽の光:原子が融合する核融合で、光と熱が生まれる
簡単に言えば、太陽は「燃えている」のではなく、核融合でエネルギーを作り続けている状態。だから、酸素がほとんどない宇宙空間でも輝き続けることができるんですね。
【豆知識】太陽の寿命はあとどれくらい?
「燃料(水素)を使い果たしたらどうなるの?」と思った方。鋭いです! 太陽も永遠ではありません。
太陽が誕生してから約46億年が経ちますが、科学者の計算によると、あと約50億年は輝き続けると言われています。 今の太陽はちょうど人間でいう「働き盛り」の年齢。
燃料である水素を使い切ると、太陽は大きく膨らんで赤くなり(赤色巨星)、最後はガスを放出して一生を終えます。 50億年後と聞くと気が遠くなりますが、毎日私たちを照らしてくれる太陽のエネルギーのすごさを感じますね。
果たして、正解がわかったでしょうか?次のクイズをお楽しみに!
りんごのイラスト/タワシ