慣れない場所での恐怖体験
私には、6歳の息子がいます。来年は小学校入学だと、親子ともども少しずつ意識するようになりました。そんなある日、通う予定の小学校から体験授業のお知らせが。
体験授業の当日、私と息子は通学路を確認しながら小学校へ向かいます。無事に辿り着き、教室へ案内されると息子が「ママ、トイレ行きたい」とひと言。私は「そうだね。体験授業が始まる前に行っておこうか」と、トイレの場所を配られた校内図で確認しました。トイレは教室から廊下に出て右に曲がったところ。廊下までは一緒に出て、「行ってらっしゃい」と息子をトイレに行かせました。
私は教室へ戻り、息子と同級生になる子どもたちの様子を眺めて待っていましたが、息子が戻ってきません。「まだかな?」と、5分経つころに私が廊下へ出てみると、トイレのほうから「ママー!! 助けてー!!」という叫び声が聞こえるではありませんか! 私は声がするほうへ急いで行きました。
息子の声は、男子トイレの個室の中から聞こえます。「どうしたの!?」と声をかけると、息子は「鍵が開かなくて出られないの……!」と言いました。女子トイレの個室の鍵の仕様を確認し「右にスライドしてみて!」とトイレの外からアドバイスしても、鍵は動かない様子です。そこで私は「ちょっと待ってて! 先生を呼んでくる」と息子に声をかけましたが、息子は「お母さん行かないでー! 怖いよー!」と叫び始めてしまい、息子の声が廊下中に響きました。
すると、教室にいた先生が「どうしました!?」と慌てた様子で来てくれ、息子の同級生たちもみんな集まってきてしまったのです! 私が事情を説明する間も大声で泣き続ける息子に先生が「〇〇くん、すぐに開けてあげるからね!」と、落ち着かせる言葉をかけてくれます。即座に用務員さんへ連絡をしてくれたおかげでドアが開き、「ママー!!」と飛び出してきた息子。「ごめんなさいね。子どもたちが昨日ドアにぶつかって鍵がゆがんでいたらしくて、明日修理する予定だったんです」と先生は謝ってくれました。
私は息子を抱きしめながら「怖かったね……。でも、大声で助けを求めたのは正解だったよ」と声をかけます。その後教室へ戻り、同級生と保護者の皆さんに「お騒がせしてすみません」と謝りつつ体験授業がスタート。息子はあれだけ泣いていたのに、授業は楽しく受けられたようでした。
今回のように、誰しも突然怖い思いをすることはあると思います。特に、小学生になる世代の子どもたちは、今よりも広い世界に飛び出していくわけですから、身を守るための知識や行動が大切だと思いました。親として、いざというときの助けを求める方法を、小学校入学までにもっとたくさん教えてあげなければと今まで以上に強く感じた出来事でした。
著者:中村あんな/30代・ライター。5歳と2歳の子どもを育てるママ。家計を支えるため、ライターの傍らパートも開始。夫は激務のため、子育てはほぼワンオペ状態。常に子どもたちが楽しめるイベントや遊び場を模索中
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)