受け取ったプレゼントを開けると?
友人には7歳の息子と2歳の娘がいます。昨年の冬、友人は息子と同じクラスのAちゃんと、そのママを含めた5人でクリスマスパーティーをすることに。小学校のお迎えのとき、Aちゃんママとクリスマスパーティーの打ち合わせをしていると、「やっぱりプレゼント交換はしたいわよね〜? 予算は1,000円くらいかしら?」と提案してくれました。「いいね! プレゼント交換、しましょう!」と友人は賛成し、息子とAちゃんはプレゼント交換することに。
早速息子にプレゼントのことを相談し、「クリスマスパーティーのプレゼント交換、何を渡す?」と息子に聞くと、「ママが好きなお店に行こうよ!」と、友人が好きな雑貨屋さんでの買い物を提案してくれました。数日後、息子と友人はそのお気に入りの雑貨屋さんへ行き、Aちゃんに気に入ってもらえそうな1,200円ほどのクリスマス雑貨を購入。「Aちゃんからは何をもらえるかな〜」と息子はワクワクしていました。
そしてクリスマスパーティー当日。友人宅に集まり、ピザを食べたり、ケーキを食べたりと、楽しい時間を過ごしました。そしていよいよ、楽しみにしていたプレゼント交換です。息子は「はい、Aちゃんにはこれあげる!」と渡し、Aちゃんからも「これ、どうぞ!」とプレゼントを受け取りました。息子がワクワクしながらAちゃんから受け取ったプレゼントを開けると……。そこには蛍光色の見覚えのある手袋が。それは、数日前に友人と息子が行った100円ショップで見た手袋でした。
「え……」と一瞬固まった友人たちでしたが、空気が悪くなってしまってはいけないと思い、友人はすぐに「Aちゃん、ありがとう! あたたかそうでいいね」とお礼を。しかし、少し予算オーバーしつつもプレゼントを真剣に選んだ息子は、ショックを隠しきれなかったようで「これさ……100円ショップのやつじゃない? うちはちゃんと1,000円くらいのプレゼントにしたのに。Aちゃんは約束を守ってくれなかったんだね……」と言ってしまったのです。友人が「思ってもそれだけは言わないでー!」と思ったのも束の間、もちろんその場は一瞬で凍りつきました。
Aちゃんは予算のことを何も知らなかったようで、「え……お金決まってたの?」と動揺し始めます。するとAちゃんママは「違うわよ! 100円ショップなわけないじゃない! ちゃんと百貨店で買ったんだから!」と目を泳がせながら少し怒った口調でひと言。しかしそれは紛れもなく友人親子が100円ショップで見たものと同じで、嘘をついているのはバレバレ。どうフォローしていいかわからず、友人も言葉を失ってしまいます。
そんな最悪な空気の中、Aちゃんが口を開きました。そして「ママ、嘘はダメだよ。これ100円ショップでさっき買ったものだよね? ちゃんと謝ろう」と呟きます。Aちゃんママはさすがにごまかせなくなり、少し黙ったあと「ごめんなさい。プレゼントを選ぶのを忘れていて、急いで100円ショップで買ってきたの」と謝ってくれました。友人は「やっぱり嘘だったんだ……」と苦笑いしつつも、「そういうときもあるわよね、嘘なんかつかなくてもよかったのに」と言い、和解。息子も「ぼくもよく忘れ物しちゃうんだよね。Aちゃんにいつも貸してもらってるから、お互い様だね」と言い、騒動は幕を閉じました。
後日、Aちゃん親子は追加で文房具のプレゼントをくれたそうです。プレゼント交換は子どもたちにとって特別な楽しみだったでしょう。そんな純粋なワクワクした気持ちに対し、大人が嘘をついてごまかすのは、子どもの気持ちに水を差すことになりますし、お手本としてもよくないと感じました。もし、約束が守れないときでも、素直に事情を話せば、トラブルになるのを防げるかもしれません。子どもの前では特に、誠実な姿勢を示すことが大切だと感じた出来事でした。
著者:中村あんな/30代・ライター。5歳の男の子と2歳の女の子を育てるママ。家計を支えるため、ライターの傍らパートも開始。夫は激務のため、子育てはほぼワンオペ状態。常に子どもたちが楽しめるイベントや遊び場を模索中。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)