ある夜、マミは自宅前の車内で、夫のリュウが見知らぬ女性と抱き合う姿を目撃します。その女性の肩にかかっていた「赤いスカーフ」がマミの目に焼き付きました。
不信感を抱いたマミは、不倫の真実を確かめるために行動を開始します。あえて夫を送り届けた先で現れたのは、あの日と同じスカーフを羽織った女性・モモでした。愛息の前で平然と嘘をつく2人の無神経さに、マミは復讐を誓います。
マミは罠として、独身の疑いがあるモモを自宅へ招待しました。宿泊中、マミの私物を勝手に使い、新婚夫婦のように睦まじく振る舞う2人に、マミは「もしかして、付き合ってる?」と直球の問いを投げかけます。
激しく動揺する2人に対し、マミはあえて「冗談よ」と笑顔を見せて追及の手を緩めました。2人が安堵し、電話を装って席を外したマミの隙を突いてキスを交わした瞬間、すべてがマミの罠に落ちます。リビングのベビーモニターが、2人の醜態を克明に録画していたのです。
裏切りの証拠を目の当たりにし、一度は涙を流したマミでしたが、すぐに怒りで涙を拭うと、リビングへ戻り「モニターの動画をテレビの大画面で見よう」と提案。自らの不貞が晒されると悟り、大慌てで制止する2人の滑稽な姿。マミは冷徹な眼差しで、絶望の淵に立たされた2人を静かに見下ろすのでした。
その後、食事が終わり、片付けの時間にあると、マミはまた一つ、小さな復讐を実行します。対するモモの反応は……!?
妻VS浮気女…戦いの行方
















焦る2人を見て、マミは彼らが全く酔っていないことを確信しました。モニターに映ったあのキスがシラフで行われたという事実に、マミの怒りはさらに深まります。
夕食後の片付けの時間、リュウは「俺がやるよ、モモちゃんは座ってて」とモモを客扱い。すかさずマミは「家庭的なモモちゃんに失礼でしょ」と皮肉を込めて介入し、片付けを彼女に任せました。引きつるモモをよそに、リュウは会社からの電話を理由にその場を離れてしまいます。
1人残されたモモは、マミが入浴している間に渋々食器洗いを始めますが、「油まみれで触りたくない」と、汚れた皿を洗わずにそのまま食器棚の奥へ隠してしまいました。
風呂上がり、シンクに油汚れの皿がないことに気づいたマミは、すぐにモモの仕業だと見抜きます。しかし、あえて知らん顔で「わぁ、ピカピカ! さすが家庭的ね」と褒めちぎり、モモは得意げな表情を浮かべました。
続いてマミは、電話が長引くリュウを待つ間、モモに入浴を勧めます。脱衣所でモモは、マミの高級シャンプーを「全部使い切ってやる」と悪巧みをしながら浴室へ向かいました。
ヨウスケが泣き出したため、マミはその場を離れます。「給湯器の説明をするから待って」というマミの制止を振り切り、モモは勝手にシャワーを浴びますが、出てきたのは冷水……!
凍えながら出てきたモモに対し、マミは「ごめん、うちの給湯器は複雑で初見じゃわからないの」と謝ります。しかし、言葉とは裏腹に、マミは内心で思わず「いい気味だわ」とほくそ笑んでいました。 その表情からマミの真意を悟ったモモは、自分を見下ろすマミを「このババア、ムカつく……!」と激しく睨みつけるのでした。
◇ ◇ ◇
浅はかな嘘を重ねるリュウとモモの姿を見ていると、不誠実な関係の脆さが少しずつ浮き彫りになっていくようです。マミが感じた「いい気味」という本音も、傷ついた自分を立て直すための自然な一歩なのではないでしょうか。自分の抱いた違和感を無視せずに向き合うことで、少しずつ自分の生活のペースを取り戻していけるはずだと、感じさせてくれます。私たちも自分の心の声を大切に、凛としたマミのように一歩ずつ前へ進んでいきたいですね。
つらいときこそ、まずは自分を一番にいたわって、心の中を整理する時間を作りたいものです。
きりぷち