2代目社長「中卒を採用するなんて」
入社して10年ほどが経過したある日のことです。初代社長が急逝し、その後すぐに、息子が2代目社長に就任しました。ただ、2代目社長は今まで他の会社で働いており、この会社のことは何も把握しておらず……。同僚たちは戸惑っており、僕も「大丈夫なのだろうか」と不安に思っていました。
そんな中、2代目社長が社員全員と面談をすることに。僕の番になり社長室に入ると、2代目社長はいきなり「君はどこの大学出身なんだ?」と聞いてきました。僕は、「家庭の事情で高校を中退し、すぐにこの会社に入ったため、大学には行っていません」と説明。すると2代目社長は、「中卒を採用するなんて、この会社はどうなっているんだ! しかも、中卒にボーナスまで出しているとは!」と怒り始めたのです。
僕は慌てながらも、「学歴ではなく、人柄で採用するのが初代社長の方針で……。僕は大学には行っていませんが、この会社での勤務歴は長いですし、それなりに貢献してきた自負があります」と言いましたが、2代目社長は不機嫌なまま。
さらに、「これからは高学歴の優秀な人材を確保するために、採用に会社の予算を多く割く予定だ。だから、君のような低学歴社員のボーナスはカット。それが嫌なら他の会社に行け」と冷たく言い放ち……。
僕は初代社長の思いが踏みにじられた気がして悲しい気持ちになりました。そして、「こんなやり方の会社は僕に合わない」と感じ、「わかりました。退職します」と告げ、社長室を出たのでした。
僕の話を聞いた同僚は…
社長室を出た僕は、さっそく引き継ぎの準備を始めました。実は、数カ月前に友人が起業し、「君は優秀だから、一緒に会社を大きくしていかないか?」と誘われていたのです。初代社長への恩義から「もう少し今の会社にいるつもりだから」と断っていましたが、もうその義理もありません。
すると、僕の異変に気づいた同僚のA子さんが、「いつもと様子が違いますが、どうかされましたか?」と声をかけてくれました。
僕は、社長室での出来事を彼女に説明。A子さんも2代目社長の発言には衝撃を受けたようで、「それなら、私も会社を辞めます。私だって高卒なので」と発言。さらに、周囲にいた数名の同僚もその話を聞き、「僕も中卒だから辞めてやる」と口々に言い出したのです。
2代目社長に反撃!
そこへ、2代目社長が社長室から出てきました。ざわつく社員たちを不思議そうな顔で見る2代目社長に、僕は言いました。
「初代社長は、学歴関係なくその人自身を見てくれる人でした。僕たちはそんな社長がいたからこそ、この会社で働いてきたんです。あなたのような社長について行くことはできません」
僕を含め複数の同僚が退職の意思を示し、2代目社長は「いきなり大勢に辞められては困る! ボーナスカットの話はなかったことにするから、残ってくれ。それでいいだろ!」と大慌て。しかし、僕は「お金も大切ですが、それだけではありません」と言い、宣言通り翌日、僕たちは退職届を提出したのでした。
僕たちのその後
その後、僕は友人の会社・B社で営業の仕事をすることに。スタートアップ企業のため多忙な日々ですが、とてもやりがいを感じています。
また、僕と一緒に会社を辞めた同僚のうち2名も、B社にきてくれることに。B社の理念は、学歴や家柄ではなく、しっかりと人柄を見ることです。これからも、信頼できる仲間たちと仕事に励んでいきたいと思います!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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