ある土曜日、妹が朝からうちに押しかけてきて「買い物に付き合って!」とせがんだのです。しかしその日、あいにく私は体調不良で寝ていました。
高熱で心細く「そばにいてほしい」と頼みましたが、夫は私の顔を見るなり「妹が困っているんだから、そのくらい我慢しろよ」と突き放すように言い放ちます。楽しそうに出かける彼らを見送ったとき、私の心に拭い去れない不信感が芽生えたのです。
「いいよ、あげる!」私が冷ややかにほほえんだワケ
それから2カ月後、妹から「私がもらうからね♡」というメッセージとともに、妹と添い寝する夫の写真が送られてきました。
「いいよ!」私の返信は冷ややかです。妹は、あまりにあっさりとした私の反応に戸惑っている様子でしたが、すぐに気を取り直したのか「私の方がお似合いだもんね♡」と勝ち誇ったようなメッセージが続きました。
私が略奪を受け入れ、離婚を決めたのには理由があります。妹は夫が高収入のやさしい男性だと思っているようですが、それは大きな勘違いです。
高収入を装う夫には多額の借金がありました。借金のスタートは生活費の補填程度だったようですが、歯止めがきかずどんどん借金は増えていったようでした。
さらに、自宅に届いた督促状について問い詰めたあの日、夫は「男のすることに口を出すな!」と見たこともない形相で怒鳴り散らしました。その日を境に夫は不機嫌な振る舞いを続けていましたが、いよいよ資金が底をついたのか、今度は恥も外聞もなく私に頭を下げてきたのです。
急に甘い声で「お金を貸して」と頼まれたとき、「これ以上は無理だ」と線引きをし、離婚を決意していたのです。
崩壊する略奪愛
2週間後、妹から悲鳴のような電話がかかってきました。「借金が1,000万もあるなんて聞いてない! 私の給料まで返済に回せってしつこくて毎月ギリギリ……」
泣きつく妹に、私は淡々と答えました。「不倫相手にわざわざ教える必要ある? 略奪してまで手に入れたかった相手なんだから、借金ごと愛してあげればいいじゃない」
さらに1カ月後、妹はボロボロになって私の元へ逃げてきました。「彼、怒鳴って物を投げてくるの……怖くて逃げ出してきた。お願い、家に入れて!」
しかし、私に助ける義理はありません。「無理。私はあんたを家族とも妹とも思っていないから」と突き放したのでした。
私を痛めつけるはずが……
結局、妹はその後すぐに夫と離婚したそうです。私を不幸のどん底に突き落として笑うつもりだったようですが、残念ながらもくろみは外れました。
離婚を切り出すタイミングを狙っていた私にとって、妹の略奪は渡りに船でしかありません。妹のおかげでスムーズに縁が切れ、さらには慰謝料までしっかり回収できました。
彼女に残されたのは自業自得な貧乏生活と、略奪に失敗したという惨めな記憶のみ。一方の私は、手に入れた慰謝料を手に、自分ひとりの穏やかで自由な生活を満喫しています。
◇ ◇ ◇
略奪に失敗し自業自得を味わうことになった妹と、自由と軍資金を手に入れた姉——。どちらが本当の「勝ち組」かは言うまでもありません。
血のつながりや結婚という形式に固執せず、真っ向から向けられた悪意に毅然と対応するには、相当な勇気が必要だったはずです。しかしその強固な意志こそが自分を守り抜き、結果として相手に最大の報いを与えることにつながったのかもしれませんね。
【取材時期:2025年12月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。