送迎させるママ友
ある日、Aと2歳の娘が子育て支援センターで遊んでいると、「もしかしてA?」と声をかけられました。そこには、高校の卒業式ぶりに会うBがいたのです。「びっくりした! ここら辺に住んでるの?」とAが聞くと、どうやらBは最近近所に引っ越してきたのだそう。高校時代は単なるクラスメイトだったものの、子どもも同学年で同じ女の子ということで、そこから2人は定期的に会うようになったのです。
しかしAは、当初Bとの再会をうれしく思っていたものの、次第に図々しい態度にモヤモヤするようになりました。B宅には車はあるものの、B自身は免許を持っていないため、普段の移動手段は自転車かバス。そのためか、Bは当たり前のようにA宅から30分離れたBの自宅まで毎回送り迎えをさせていたのです。仕方がないと最初はAも送迎を了承していたものの、「つけ方がわからないのよね」と言い、毎回Aに夫の車からAの車へのチャイルドシートの設置を任せ、「帰りに買い物に寄りたいの!」などと送迎どころかタクシーかのような扱われ方に、Aはモヤモヤ。ガソリン代も一度も出しませんでした。
ある日の車内で、しびれを切らしたAがそれとなく「最近、食品とか日用品、ガソリン代もほんと高くて嫌になるね」と話を振ります。しかし、Bは「ねー。いろいろ高くて無理」と、ただ同調するだけでした。能天気な返事に「やっぱり気づかないから直接言うしかない」とAは決心。「言いにくいんだけど、毎回Bの家までの送迎となると、正直ガソリン代もばかにならなくて……。チャイルドシートのつけかえも大変だし、せめて3回に1回くらいでいいから、ガソリン代を負担してくれないかな」と伝えました。
すると、Bは不機嫌になり「本気で言ってる? 友だちにガソリン代請求するってせこくない? Aってそんな金欠なの?」と信じられない言葉を返したのです。Aはカチンときましたが「私はBのタクシーじゃないよ。普段バスに乗るときもお金払うよね? 今のままじゃ無賃乗車と同じだよ」と冷静に反論。それに怒ったBは「気分悪い。もうここで降ろして。あ、でも、うちの子が使ってるチャイルドシートは私のなんだから、玄関まで届けてよね」と、子どもを連れ、ドアを強く閉めて車を降りました。Aはあきれつつも、言われたとおりチャイルドシートをB宅の玄関に届けたそうです。
数日後、フォローしていたBのSNSがAの目に留まりました。「ありえない友だちの話」として、「ガソリン代請求されたうえに、車から降ろされた」と、Aを批判する内容が書かれていたのです。ところが、コメント欄を見ると「非常識なのはBだよ」「送迎してもらってるならガソリン代は払うべき」とBに対する批判が並んでいたそう。それを見て、Aは「自分は間違っていなかった」と気持ちがスカッとして、反論してくれた人たちに「ありがとう!」と思ったと話していました。
後日、AはBから「今までごめん」とガソリン代と言って5千円を渡されたそうです。Aは「きっともっとかかってるけどね」と内心思いながら受けとったものの、Bの人間性が許せず「今後は送迎しない」ときっぱり宣言し、それから少し距離を置いているそうです。Aの話を聞き、人の厚意を当たり前に思ってはいけないし、私自身も「親しき中にも礼儀あり」という言葉を肝に銘じて人付き合いをしなければ、と考えさせられる出来事でした。
著者:山崎はる/30代・ライター。6歳の男の子と2歳の女の子の元気いっぱいな兄妹を育てるママ。共働き夫婦だが、夫の激務でほぼワンオペ状態。家事と育児、仕事の疲れは、大好きなどら焼きを食べて癒している。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年12月)