注意しただけなのに、思わぬ反応が返ってきて
その新人・A子さんは、とにかくデスク周りが散らかっていました。床には食べこぼし、机の上には書類と紙くずが混在。ある日、重要そうな書類にチョコレートの汚れが付いているのを見つけ、思わず声をかけました。
「汚れているけれど、大丈夫ですか?」
あくまで心配してのひと言だったのですが、彼女は顔をしかめて「は? おばさんがやったんでしょ。A子、ダイエット中だもん」と言い放ったのです。初めてまともに会話をした相手に対して自分の名前呼びをすることにも、正直驚かされました。
床の汚れについても「自分じゃない」と言い張り、非を認める様子はありません。私は教育係ではありませんし、ほかにも作業があったため、それ以上の口出しはせず、その日は黙って清掃を終えました。
「これは、上司がどう対応するのかを見届けたほうがいい」
そう判断したのです。
仕事ぶりにも疑問を感じる場面が
翌日も、A子さんのデスクは前日と変わらず散らかっていました。本人が席を外していたため静かに清掃していると、近くの社員さんたちの会話が耳に入りました。
「A子さんの書類、誤字が多すぎる」
「専務の娘だって本人が言ってたよ」
「だから誰も注意できないのか……」
そんな声が聞こえた直後、A子さんが戻ってきました。彼女は私を見るなり、「おばさん、ちょうどいい。このコピー30枚やっておいて」と書類を押し付けてきました。
「私は清掃員です。自分の仕事はご自身でお願いします」
そう伝えると、「はぁ? 従ったほうが身のためじゃない?」と高圧的な態度。思わず書類に目をやると、表紙には「企画提安所」と書かれていました。どう見ても「企画提案書」の誤りです。
誤字を指摘しただけで逆ギレされて
気になって、「提出前に誤字の確認はされたほうがいいですよ」と伝えたところ、彼女は一気に声を荒らげました。
「清掃員のくせに口出ししないで! 私の企画は通るって決まってるの。選考に関わるのは身内なんだから」
その直後、騒ぎを聞きつけた専務が現れ、私の話を聞くことなく「立場をわきまえなさい」と強い口調で叱責されました。
そのとき、「失礼します」と穏やかな声がしました。現れたのは、後日から勤務予定だった社長のご家族の方でした。専務が慌てて応対する一方、A子さんは事情を知らず、失礼な態度を取り続けていました。
しかし、その方は「立場を理由に人を見下す行為は、会社として看過できません。清掃業務を担ってくださる方々のおかげで、私たちは安心して働けています」と言ってくださったのです。
新人と上司に下された社内の判断
その後、A子さんについては、勤務態度や業務上の問題点が複数報告され、試用期間満了をもって採用を見送る判断がなされました。
また専務についても、管理体制に関する指摘を受け、配置転換がおこなわれましたが、最終的には本人の判断で退職されることになったと聞いています。
私はこれまで、パートの清掃員として社内の様子を間近で見てきました。立場が変わったわけではありませんが、今回の出来事をきっかけに、職場全体で「人への接し方」や「働く環境」について改めて考える空気が生まれたように感じています。
これからも自分の役割を大切にしながら、誰もが気持ちよく働ける職場になるよう、日々の仕事に誠実に向き合っていきたいと思います。
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立場や肩書きに関係なく、職場では一人ひとりへの敬意が欠かせません。現場を支える人の存在や日々の仕事の大切さを、改めて感じさせられますね。特別な立場に立たなくても、誠実な姿勢や気付きが職場の空気を変えることも。誰もが安心して働ける環境づくりは、こうした積み重ねから生まれるのかもしれません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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