「そろそろあなたたちにも家が必要でしょ? 一緒に住むのよ」と、同居があたかも決定事項であるかのように告げられました。
しかも、建築費用で老後の資金をすべて使い果たし、足りない分は無理してローンまで組んだとのこと。義母は「あなたたちは家賃として、毎月12万円払ってくれればいいから!」と、さも名案かのように提案してきました。勝手に建てた二世帯住宅の返済を、事実上私たちに負担させる気満々なのです。
私は慌てて帰宅し、夫に報告しました。夫も寝耳に水だったようで驚いていましたが、私の訴えに対する反応は予想外のものでした。
離婚覚悟の訴え
「いつかは家を建てたいと思っていたし……。子どもは親と同居すべきだっていう考え自体には、俺も賛成かな」。夫は困った様子もなく、さらりとそう言いました。
私が日ごろどれだけ義母に悩まされているか、夫も知っているはずなのに……。私は裏切られたような思いで言葉を失いました。
「私の気持ちはどうでもいいの? 同居するくらいなら離婚も考えるから」震える声でそう告げると、夫はきょとんとした顔を見せました。「えっ、まさか母さんと住むと思った? 誤解させてごめん。俺が言ってる『親』っていうのは、君のご両親のことだよ」
夫の言葉の意味を理解するのに数秒かかりました。夫は、自分勝手な義母とは距離を置き、私の実家の両親との同居を考えてくれていたのです。
「母さんのあの性格じゃ、一緒に住んだら君が壊れてしまう。だから俺たちは君の実家のほうに身を寄せよう。いつか子どもができたときのためにも、同居を考えたい」
地獄から天国へ引き上げられたような安堵感とともに、私は夫の提案に乗ることに決めました。そして私たちは、義母には真実を告げず、水面下で着々と準備を進めることにしたのです。
誰も来ない引っ越し日
そしてついに、義母が指定した引っ越し日。義母から夫へ、弾んだ声で電話がかかってきました。
「いつ来るの? 家具や家電はもう運んであるわよ」義母は完成したばかりの新築二世帯住宅で、私たちを待ち構えていました。
夫は冷静に告げました。「ああ、俺たちならもう引っ越したよ。妻の実家にね」 電話の向こうで、義母が絶句する気配が伝わってきます。
「どういうこと? 家を建てたのよ?」「あんたたちのために借金までしたのに!」と喚き散らす義母の声が、電話越しに響きます。
夫は淡々と返しました。「頼んでもいない家を勝手に建てて、その上お金を請求するなんて無理だよ。俺たちは、こちらの意思を尊重してくれる妻の両親と暮らすことにしたから」
自業自得
義母は必死に「私が破産してもいいの!?」と訴えてきましたが、夫の意思は固く、揺るぎませんでした。
「それは母さんの自業自得だ。自分の人生は自分で責任を取ってくれ。これ以上、俺たちに関わらないでほしい」
夫はそう言い放ち、電話を切りました。私もその場で義母の連絡先をブロック。長年苦しめられてきた義母の呪縛から、完全に解放された瞬間でした。
義母の末路
その後、義母はローンの返済に行き詰まり、建てたばかりの二世帯住宅を手放さざるを得なくなったそうです。今は小さなアパートで、ひっそりと一人暮らしをしていると夫から聞きました。
一方、私たちは私の地元に二世帯住宅を建て、両親と賑やかな毎日を送ることに。最近では、私の妊娠も判明しました。夫は「これからは俺が2人を守る」と張り切っています。
義母の身勝手な計画に巻き込まれかけましたが、結果的に家族の絆が深まり、本当の幸せを手に入れたのです。
◇ ◇ ◇
「あなたのため」という言葉は、時に相手をコントロールするための免罪符として使われます。しかし、相手の気持ちを無視した善意は、ただの押し付けでしかありません。
家族であっても適切な距離感を保ち、互いの意思を尊重し合うことが、良好な関係を築くための第一歩なのかもしれませんね!
【取材時期:2025年12月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。