引っ越し前日、最後の抵抗
私は、荷造りもせずテレビを見て笑うお義母さんにあきれていました。
テレビを消し、私がお義母さんに準備を促していると、ケンが帰宅し、「明日の朝までに段ボールに入っていないものは、すべてゴミとみなして処分する」と冷たく告げ……。













「ユリさんが意地悪して手伝ってくれない」
いつもの被害者アピールで甘えようとする義母でしたが、今の家族にその手は通用しません。しぶしぶ荷造りを始めた義母に対し、ケンさんは「最後の取り決め」を提示します。
提示された誓約書の内容は、「合鍵は渡さない」「アポなし訪問禁止」「金銭援助は住居費のみ」という、義母にとってはまさに死活問題。激昂し、孫のレンくんに助けを求めますが、SNSでの大失態に怒っているレンくんは、義母の心を粉々に打ち砕きました。
「ばーちゃんのせいで学校で恥かいた。もう関わりたくない」
追い詰められた義母は、最後の手段として「胸を押さえて苦しみ出す」という渾身の仮病を披露。しかし、ユリさんが血圧計で計測した義母の数値は至って正常。
「今の嘘も録画されてるぞ。新しい家の管理会社に送っておくか?」ケンさんの冷徹なひと言で、義母の演技はあえなく幕を閉じました。
その夜、ユリさんとケンさんは積み上がった段ボールを前に、缶ビールで乾杯。これまでのマヨ舐め事件、倒れたフリ、公園での大芝居……。長く苦しかった戦いがようやく終わりを告げ、家族3人の再出発に向けた静かな夜が更けていくのでした。
◇ ◇ ◇
嘘や演技で周囲をコントロールしようとする相手に対し、客観的な「証拠」と「ルール」で外堀を埋めていく家族の姿には、生活を守るための強い覚悟が感じられますね。仮病に対して即座に血圧計を出したり、誓約書という形で物理的な境界線を引いたりすることは、理不尽に巻き込まれないための防衛策になるのではないでしょうか。
身内であっても、一方的に平穏を脅かされ、信頼関係が破綻してしまった以上、情に流されることはお互いのためになりません。正論が通じず、周囲を攻撃する人には、ひとりで解決しようとせず、第三者の介入や公的なルールを活用して、明確な距離を置く手続きを進めることが最善なのかもしれません。自分の人生と家族の笑顔を最優先に考え、不当な要求にはNOと言える勇気と、それを裏付ける準備を常に整えておきたいですね。
小出ちゃこ