「母乳じゃなきゃダメよ!」「離乳食は手作りじゃないとかわいそう」
私が体調を崩してミルクを作り出すと、義母は露骨に不機嫌になります。料理の作り置きや冷凍ストックも「手抜き」と言われ、そのたびに胸がぎゅっと苦しくなりました。
毎日小言を言われ、疲弊
夫が仕事に行っている日中は、家に義母と娘と私の三人だけ。
夫は義母が口を出してくるたびに、「育児は人それぞれなんだから、口出しするのはやめて」と、私をかばってくれました。
しかし夫が家を空ける時間が長く、日中はずっと小言を言われる、そんな生活が続き、私はどんどん疲弊していきました。
「お母さんなんだから、ちゃんとしなさい」「まだ掃除してないの?」「効率が悪いわね」などと嫌味を言われるたび、私は自分がダメな母親だと思ってしまい、追い詰められていきました。
反論せず、従うことにしてみると
義母に「考え方を変えてほしい」「今と昔では育児の常識が違う」と伝えても、聞く耳を持ってくれません。そこで私は反論することを諦めて、「言葉で伝わらないなら、実際にどれだけ大変か、分かってもらうしかない」と考え、ある提案をしました。
「これからは、お義母さんのルールをできる範囲で優先して育児してみます。その代わり、家のことは一度、全部お願いしてもいいですか?」
義母は少し驚いた顔をしましたが、すぐにうれしそうにうなずきました。
「いいわよ♪ 家のことは私に任せて。育児はあなたがやるものだものね」
それから私は、娘の育児だけに集中することにしました。
義母のほうが先に音を上げて…
買い出し、掃除、洗濯、食事の支度、ゴミ出し、日用品の補充。加えて、地域の回覧板の対応や、近所とのちょっとしたやり取り——。これまで私が「育児の合間」にやっていたことを、できるだけ義母に引き受けてもらいました。
義母は、最初のうちは余裕そうにしていました。
けれど一週間ほど経つと、義母は目に見えて疲れていました。
赤ちゃんがいるし、洗濯物は思ったより多いこと。
買い出しは週に一度では済まない。
天気によっては外出ができない日もあり、予定通りにいかない……
そんな当たり前のことに、義母自身が直面してようやく大変さに気付いたんだと思います。
「こんなにやることがあるなんて……毎日、細かい用事が途切れないのね」
「私、疲れちゃった……ごめんなさいね。あなたが毎日こんなに忙しくて、大変だと思ってなかったわ。家のことも育児も、あなたは本当によくやってくれているわ」
その言葉を聞いたとき、胸の奥がスッと軽くなった気がしました。
育児と家事の両立の難しさを痛感、その後
私は、改めて義母に時短の工夫は決して手抜きではないこと、家事を協力してほしいことを伝え、義母は承諾してくれました。
それ以来、義母は自分のルールを押し付けるのをやめてくれました。
「孫ちゃん泣いてるね、ミルク作ろうか?」
「昔と今は、やり方も違うのね」
「孫ちゃんが笑っているなら、それでいいわね」
そう言ってくれるようになったのです。
育児の形は時代とともに変わります。けれど、家族が歩み寄ろうとする気持ちや思いやりの大切さは、いつの時代も変わらないのだと感じています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。