欲しがりな弟
僕は昔から弟と価値観が合いませんでした。子どものころから、弟は欲しい物があると人の物でも当然のように欲しがって……。僕が何かを手に入れるたび、「兄なんだから譲ってよ」と駄々をこねられていました。
大人になってもその様子は変わらず、さらに「相変わらず堅実すぎてつまらない」とか「人生楽しんでる?」と見下すような言葉ばかりに。
そんなことが多くあり、僕はずっと弟と距離を置きたいと思っていました。そして、就職を機に実家を出た僕。
ひとり暮らしを始めてからは、友人の紹介で出会った女性・Aと付き合い、同棲をすることになり、プライベートも充実するはず……でした。
しかし、同棲を始めると、Aはわがままを言うことが多くなりました。新しいかばんを見ては、「買って!」とおねだりされることもあり、僕が断ると彼女は不機嫌になって自分の部屋に籠ってしまって……。彼女とは結婚の話もしていたのですが、僕は彼女との将来を少し不安に思っていました。
婚約者まで…弟のわがままが炸裂
ある日、弟から「話があるんだけど、時間とれる? 今から家に行くから」との連絡が。何か欲しい物があるときしか連絡をしてこない弟なので、嫌な予感がしていて……。
モヤモヤしながら弟を待っていると、家のチャイムが鳴りました。玄関に行くと……。そこには弟とAの姿が。弟は、「単刀直入に言うと、俺たち結婚することになったから!」と衝撃発言をしたのです。弟によると、僕に恋人がいることを知り、家の近くでAを待ち伏せ。連絡先を交換してそのまま関係を持つようになったと言うのです。
「僕と結婚してくれるんじゃなかったの?」と伝えましたがAは知らんぷり。僕に聞こえるように、「欲しいバッグは買ってくれないし…貧乏人と結婚してもね」と言いました。
こうして僕は、婚約者まで弟に奪われたのでした。
弟の結婚式にて
数年後、弟とAは結婚式を挙げることになったよう。僕も招待されて、正直気は進まなかったのですが出席することにしました。理由は、弟から「絶対に来い」と言われ、親族だしと思ったこと、Aと別れてからお付き合いをしているBと一緒に参加したいと思ったからです。
そして、出席を決意したのにはもう1つ理由が。Aと別れてからお付き合いをしているBと一緒に参加したいと思ったからです。僕にも新しい婚約者がいて、幸せにやっているということを弟にも見せるつもりでした。僕は、「婚約者と一緒でいいなら出席する」と伝え、出席を決意しました。
結婚式当日。挙式が始まる前に弟もいる親族控室で僕はBを親戚に紹介しました。Bを紹介した親戚からは「しっかりしている人だね」とか「美人だね」と声をかけられ、僕は誇らしい気持ちでした。
その後、挙式が終わり披露宴のとき……。弟がわざわざ僕らの席までやってきて、「兄貴より、俺のほうが話しやすいと思わない?」と冗談めかしてAに話しかけていました。
Bの反応は…
それを聞いたBは、少し間を置いてから静かに言いました。「お兄さんと比べるような話し方は失礼ですよ」と。さらに「結婚式なのに…Aさんにもとても失礼だと思います」とキッパリ。
弟は言葉を失い、その場を離れていきました。Bは笑顔で、「あなたのことを大切に思えない人は、私も許せなかったから!」と言ってくれて……。力強いBの姿を見て、僕が婚約破棄されて落ち込んでいたときに、励ましてくれたことを思い出しました。今度は、僕がBのことを支えていきたいと思っています。
一方の弟とAは、披露宴での出来事をきっかけに揉めたよう。結局、結婚して数カ月で離婚してしまいました。
弟に振り回されてきた僕ですが、僕のことを大切にしてくれる人と出会えたことで、ようやく自分の人生を歩きだせました。遠回りでしたが、耐え抜いて今があることを考えると、僕の選択は間違っていなかったと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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